生理的に無理と感じない夫婦は離婚しない|別に気持ち悪くないし

この前電車乗ってて、吊り革につかまりながら目の前の女性二人の会話を盗み聞きしていたんです。

家庭内で夫婦の会話があるとか、無いとか。

で、片方の女性がご亭主との家庭でのやり取りを話すのを聞いて、この夫婦は絶対に離婚しないなあって瞬間的に感じたんです。

 

「家で夫婦の会話ってある?」

「うちは結構話すよ。子供が寝た後に一杯飲みながらね」

「毎晩?」

「飲むのは金曜日の夜と土曜日の夜だけ」

「なに話すの?」

「たわいもない事よ。テレビつけてるから、それ観ながらどうでもいいような話しを延々とするの。『大豆田とわ子』の中の会話みたいな感じ」

「楽しい?」

「楽しいって言うか、習慣。ただ酒が飲みたいだけよ」

「なに飲むの?」

「亭主はビール、ハイボール、焼酎とか、その時の気分みたい。アタシは白ワイン専門ね」

「アンタの旦那、白ワイン嫌いだったよね」

「そう、相変わらずあの繊細な味がわからない無粋な人なの」

「バカみたいな味とか、間が抜けてるって言ってわよね」

「そう、そのくせアタシが買ってきて冷やしておいたとっておきの白ワインをビールグラスにドボドボつぐのよ。まったく遠慮ってものがないんだから。それで半分も飲まないで放置するの。相変わらずトンマな味だなあ、とか言って。だからアタシが、そんなら返してよ、ってそのビールグラスを奪おうとすると抵抗するわけ。飲まないとは言ってからない、とかなんとかいってさ。で台所で別のグラスにハイボールとか作ってきてそれをメインに飲んで、たまに白ワインをすする。結局、全部は飲み切れなくてテーブルの端にぬるーくなってグラスの底にふやけたサキイカが沈んだ、まずそうなワインが残るわけよ」

「もったいないじゃん」

「でしょ。だから酒盛りをお開きにしてテーブルを軽く片付けるとき、アタシが酔った勢いでなまぬるくなってサキイカの沈んだワインをガーとかって飲み干すの」

「えーっうそ、キモ」

「ウソよ。飲むわけないじゃない。お金もらっても飲まないわよ、気持ち悪い」

この会話を聞いたとき、ああここの夫婦は離婚しないなあって思ったんです。

亭主の飲みかけの、ふやけたサキイカが底に沈んでいるなまぬるい白ワインを想像できる時点で、生理的に無理っていう抵抗がないんだと感じられるのです。

こういう奥さんって、チビってシミが付いたパンツだって、3日間履き続けた鼻がひん曲がりそうな靴下だって指先でつまめるんです。
パンツと靴下は気持ち悪いけど、亭主そのものは別に気持ち悪くない、と感じている。

生身の人間だからこそパンツだって靴下だって汚れる、って思える。

それを毛嫌いしていないところに、人間どうしの付き合いが見えてくるんです。

生理的に受け付けない

 

女の人って「生理的に無理」っていう感覚で男性を判断することがありますね。アタシあの人だけはどうしてもダメなの、みたいに毛嫌いする。

 

ハゲは無理とか

汗っかきだけはヤダとか

デブが許せないとか

 

心を傷つけられたとか、ストーカー被害にあったとかじゃなくて、ただの感覚だけで特定の男性をシャットアウトしちゃうんです。良い悪いは別にして、女性にはそれが許されるちゃう。

「いくらなんでも、そりゃ理不尽だよ」って思ってても、女ってそういう生き物だから、と容認されてしまうんです。

もし、男が女性に向かって「俺さあ、汗っかきな女は生理的に受け付けないんだ」と言ったらモラハラで吊るし上げにあうはずなんです。

一般的には男女平等と言われながらも、女性特権でゆるされるのが生理的に受け付けない、というセリフです。

男はロジックで、女は感情(共感)と言いますね。生物として脳の構造が違っているから理屈抜きでアンタッチャブルなんです。
動物として女性の方がデリケートで感受性が強い、という解釈です。

だからその繊細な部分を気持ち悪く刺激する男は、生理的に受け付けない、と言われても仕方がないという論理です。

普通に「そりゃあ気持ち悪いよ」と敬遠されてしまう男性の行動があって、たいていの女性は嫌がるのに、ある女性だけはそれを受け入れたとなると相性が合ったってことになる。
その男性の行動を拒否せずに、心を許したと解釈できるわけです。

ふやけたサキイカがグラスの底に沈む白ワインを飲めるか、飲めないか、となると気持ち悪いから飲めない。それは仕方ないし、もし飲めたら相当のマニアックで異常癖の疑いありなんです。

「生理的に無理じゃない」ってことはあの気持ち悪い白ワインを視覚的に思い出して笑いに変えられるって事で、白ワインにサキイカを沈めたまま放置できる男を面白いと感じているわけなんです。

だから些細な喧嘩があったとしても、絶対に離婚に発展しない組み合わせだと断言できるのです。

 

女性の観に障る男の言動

 

女性の癇に障る男の言動というのがあるようですね。

  • いつもいつも自分の容姿を気にしているナルシスト
  • 上から目線で偉そうな態度の人
  • かわいい女の子をみると途端にチャラい態度にでる
  • 些細な事に固執する
  • すぐに嫌味な返答をしてくる

 

これら癇に障る言動ってわりと表面的なんです。指摘されたらやり直し可能で、直したら女性に受けれられるし、むしろ直した事で評価されたりします。
「頑張って自分の欠点を直したんですね」なんていう具合に。

それに比べて『生理的に無理』となると、その人そのものを対象とした拒否反応だから、直してもダメなんです。

ハゲとかデブとか汗っかきは直せないですけど(無理すればなんとかなるかもしれないですが)、うがいした水をそのまま飲んでしまったとか、脇の下を掻いた指の臭いを嗅いだとか、そういうのを一度目撃しただけで「アタシあの人、絶対にダメ」って事になって、「もう二度としませんから」って釈明しても受け付けてもらえない。

ここが二つの決定的な違いなんです。

 

ワイングラスの底に沈んだふやけたサキイカは、その状態を作ってしまった男を無神経で気持ち悪いと思わせるだけのインパクトがあります。
サキイカがつまんだ指先からグラスに落ちたのか、奥歯に挟まったのがスッとグラスに流れ落ちたのか、そのあたりは定かではありません。

でも、温くなった白ワインにイカが浮遊していたら不気味でしょ。これって普通なら相当ヤバいポジションにいるわけです。

それを、冗談とはいえ「もったいないからアタシが酔った勢いでガ―ッと飲み干す」と言える奥さんは、そんな旦那さんを愛おしいと感じていると判断できるのです。

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