誰にもある無自覚な二面性|噴出して初めて知るもう一人のワタシとは

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わりと陥りやすい間違いが、自分の性格・性質の決め付けなんです。

「短所は長所の裏返しですよ。そんなに卑下しなくてもいいじゃない」と励ますのはよくあるケースです。

でも実際にはそんなにシンプルなものではないのです。

社交性があって多くの物事に興味を持つタイプ、と自己像をイメージしていながら、一日中誰とも口をきかず、受信したLINEも既読スルーして思い悩んでいたりする事だってあるでしょ。

それに気づいて、慌てて取り繕ったように返事をする。

別にいいんです、明るい面と暗い面が混在していて。

一点集中の日があって当然なんです。

「友達を何よりも大切にする」を一生涯かけて貫くと決めておきながら、親友と同じ人を好きになってしまい、水面下で目に見えない駆け引きをしたっていいんです。

人間ってそう言うものですから。

ここでは自分の多面性を理解することで、想像すらしなかった災難からのがれられる実例をご紹介してゆきます。

 

無自覚な二面性で仕事一筋の部長が横領

 

「勤め先の会社の金を3千万円横領した経理部長が逮捕!」なんていかにもありそうですね。

入社以来、経理畑ひとすじの叩き上げで、部長にまで上り詰めた58歳です。

家のローンの返済も終わり、二人の子供も結婚して実家を出て行った。

あと2年で定年退職。

そのあとは嘱託社員として5年間、何の権限もない立場で会社に尽くすわけです。

給料は今の半分にまで減額。

 

今まで会社の資金繰りをコントロールするのを手応えに、銀行と短期・長期の借入や返済のやり取りをしてきた。

その刺激と責任もあと僅かなのです

マイホームローンに匹敵する額の現金を自分の権限で動かすのあとわずかな期間だと実感したとき、魔が差したんです。

今だからこそできる大仕事として、貸し倒れ引当金から3千万円を自分の個人口座に移してしまった。

大金を動かせるポジションからの降格が秒読み段階になった時、自分の権限を自分の為に発揮してみたかったのです。

こんな心情が内在しているのを、自分でも初めて知ったのです。

 

学生の頃から家庭的だったマリコが三度目の離婚

大学のゼミの同級生のマリコは料理が趣味で、子供が大好き。

服装は少し地味目で目立たないタイプだったけれど、いつもニコニコして友達の間では潤滑油的な存在でした。

明るくて笑いの絶えない家庭を築くに違いないと誰もが思っていたのです。

そのマリコが3度目の離婚に踏み切ったのです。

今のご時世、バツイチくらいは何とも無いですね。

でも、3回目ともなると、「いったいどういう事?」となるわけです。

3回目だと相手の男だけの問題とも思えなくなってくる。

マリコの見立てに狂いがあったのか、と釈然としないわけです。

傷心したマリコの言い分に耳を傾けてみると、なるほど、と思えるわけです。

マリコがいつもニコニコしていたのは、自分に自信が無いからだったのです。

温和な性格という事でもなかったのです。

いつでも人に助けを求められるように、愛想よくしていたのだ。

目立って自己主張しないからといって、現状に満足しているわけではないのでs。

微笑みを浮かべていても、温和な性格だとは限らないのです。

自信が無い人と付き合っていくのはエネルギーがいるんです。自立していないから何かにつけもたれかかってくる。

自信を持たせてあげない限り、しがみついてくる束縛からは解放されない。

常に褒め続けなければ心穏やかでいられないのです。

迷子の子供と一緒なんです。

良き母親になどとてもなれない、と思われても仕方がないのです。

 

まさか彼が殺人なんて

残忍な殺人事件の犯人が逮捕された直後、ニュース報道で多くのインタビューが紹介されますね。

犯人を子供の頃から知る人は、

「まさか彼が殺人なんて!礼儀正しい、しっかり者のいい子だったのに、、、」と印象を述べるのを何度か見聞きしています。

あの、相模原津久井やまゆり園での、知的障害者殺傷事件の犯人、植松聖死刑囚とて、実家近所の人からは「挨拶のできる、しっかりしたお兄ちゃん」的存在だったのです。

アイツだって、教員試験に合格していたら、人生全然違うものになっていたはすなんです。

自己愛が強すぎちゃうと、命がかかっていても、引っ込みがつかないところに自らを追い込んでしまう事もあるんです。

何かの事情が半ば偶然、悪い方向へと複雑に絡みあい殺人事件へと発展したとしたら、より一層、犯人らしからぬ人物が渦中の人というケースは多いのです。

99パーセントまっとうに生きてきたのに、あのタイミングでどうしても怒りの衝動が抑えきれなかった、と言うのが意外にも多いのです。

 

 本人すら無自覚な二面性

 

マリコの離婚の原因は、本人の自信の欠如と自尊心の低さでした。

愛想の良さをアピールすることで、窮地に追いやられたとき一番に助けてもらえる地盤を固めていたのです。

自分に自信がなくて、不安でたまらない気持ちを押し殺して、笑顔で立ち回ることで良い人を全面に押し出していたのです。

それに加えて、料理や子供好きな性格が、彼女は家庭向きと勝手に思いこんでいたのです。

不安が慢性化した人は、異常なほど重く伴侶にからみついてきます。

粘質的で鬱陶しく、面倒臭い女。

そこに本人が気づかないでいるうちは、離婚は3回でも4回でも繰り返されるのです。

 

叩き上げの経理部長は愛社精神と権力への依存が長い時間を経て絡み合ってきたのです。

定年退職で役職を解かれ、それまでの権限が他者へと移譲されるのが会社組織というものですね。

プライベートのマイホームローンも完済し、二人の子供も自立したところで勤め先での肩の荷も降ろされることになったのが、心の拠り所を失ったように感じたのです。

そもそも寂しさや寄る辺なさは誰の心にも多かれ少なかれあるもの。

権力の象徴でもある巨額な資金を仕切る立場にあつたのが、彼の道徳心を崩してしまったのです。

 

定年退職を迎える前ならまだ会社の金を動かせる、と思ったとき3千万円の横領が手応えとして快く感じられたのです。

いずれ、そんな気持ちが過るかもしれないと、心の底に息づいていた野心的な自分と、金を取り扱うポジションが引火性の高いガスみたいな存在であることを肝に銘じていなければならなかったのです。

 

普段は姿をひそめているが、変化点で顔を覗かせるのが自己愛です。

歪んだ自己愛は自分の都合の良い方向へと誘導し、本人に正義だと信じ込ませる力が宿っています。

オレが悪いわけじゃない。

オレこそが正義なのだ、と。

警察に変わって悪にお灸をすえてやったのだと、胸を張ってしまうのです。

自己愛の強さに自ら気づいて、謙虚に物事を判断する習慣を身に着けていない限り、いかなるタイミングで事件に巻き込まれるか分からないのです。

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