言葉たくみに相手をコントロールする人。
人の懐にスッと入って、思うように人の気持を動かすのです。
警戒心を解いたり、逆に焦りを煽ったりして揺さぶり、背中を押す。
テレビショッピングの「本日限り」とか、観光名所の「地域限定」で客の購買意欲を掻き立てるの強烈版です。
ここでは、そんな呪文のような言葉を使って人の心をコントロールする人を解説させて頂きます。
美味しい話しに疑いを抱く
世の中にそんな美味い話しはそうそう転がっていない、と大人なら誰でも考えるものです。
綺麗な花にはトゲがある、と歳を重ねる毎に学習するものですね。
でも魅力的な誘い話しじゃなければ最初から相手にはされないでしょ。
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美味しい話だと疑いを持たれる。
でも美味しい話しじゃなければ、それこそ話しにならない。
ここがジレンマで難しいところなんです。
警戒心を解く言葉とは
本物か偽物かは別にして、誰だった最初は疑いを持ちますよね。
その警戒心を解くためにはどんなふうに話を進めるのか。
人間が恐れるのは引き返せない、もしくは、やり直せない恐怖です。
ドンドン深みにハマって、やっぱりやめたいと思っても、それが認められない状況に陥ってしまう事です。
「あんたさあ、ここまで説明させといて“結構です”、はないだろう」
と凄まれでもしたら面倒臭い、と。
こんな時の言葉として『とりあえず』は有効です。
本決まりじゃなくて、ちょっとした腰掛け的なニュアンスがまぶされていて押しつけがたしさがないでしょ。
―とりあえず話だけでもきいてくださいよ。
―とりあえず書面に目を通すだけで結構ですから。
何を選んでいる人に対して『とりあえず一候補として』と勧めると、重くなり過ぎなくていいんです。
「じっくりと、いろいろご覧いただいて、気に行ったのに決めて頂ければ幸いです。で、これが今のイチオシなんです。とりあえず一候補として持っていてください」
こんな言葉で警戒心がぐっと下がるわけです。
意欲を後押しする
決めかねている人の背中を押す言葉も幾つかあります。
かつてのテレビコマーシャルで、「ゾウが踏んでも壊れない」なんていうのがありました(確か、筆箱だったような、、、。)。
バナナの叩き売りで「持ってけ泥棒」と安さをアピールするフレーズが懐かしいですね。
黙って物を持ち去る泥棒と同じくらい、アンタはお得な買い物をしているんですよ、という意味。
こう言う事で、私も私もとバナナを買いたがるわけです。
ハリウッド映画を観ていると、信頼のおける製品の形容として、「日本製だよ」という場面に遭遇します。
品質に間違いなし、という意味でのMade in Japan!という事。
これも一種の呪文のようなものなんです。
中国や韓国でスーパーマーケットに入ると、お菓子やインスタント食品のパッケージに印刷された食品名やキャッチコピーに日本語のカタカナが混ざっているんです。
で、その理由を聞いてみると、日本語のカタカナが入っていると売れると言われています。
気分的に高級感があるそうです。
「絶対に後悔させません」と買手の気持ちを丸ごと包んでしまう表現もダメ押しの効果がありますね。
説得に役立つ言葉
物の売り買いとは別で、考えに賛同させたい場面ではどんな言い回しが有効でしょうか?
「ロジックとして成立しているでしょ」と言われると何となくもっともらしく思えてくる。
「すごくいいと思わない!」と比較してみてください。
前者の方が断然、正しいように思えてくるのです。
それは「理論的に正しい」というアカデミックなニュアンス、高学歴でエリートっぽい雰囲気に、現代の日本人が価値観を見出しているからなんです。
それと、もう一つ。
「みんなも賛成だし、アタシも着いているから大丈夫だよ」と言って、こっちの輪の中に引っ張り込むのも有りなんです。
内と外の区分をしたがるのが日本人の特徴です。
アナタはこっち側の人ね、と自分の輪の中に入れる作戦です。
言われた方も自分の居場所を得たかのように落ち着いてくるものなんです。
すると、突然自分が所属するグループの人間には優しく、それ以外には厳しく・冷たくなってくるの。
これは、土居健郎著の『甘えの構造』に詳しく解説さえている日本人の特徴なんです。
欧米人が誰に対してもフレンドリーでウエルカムなのに対して、日本人は自分が所属するグループという意識を強くもつタイプのようです。
同じ釜の飯を食った仲間、的な雰囲気です。
その意識をより強固にしるために、内側の人には優しく、外の人には冷たくが出てくる。
その性質を利用して、アナタを仲間として受け入れますよという意味で「アタシがついているから」とか「アタシたち仲間じゃない!」みたいな言葉につられるわけです。
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