大してやるべき仕事もないのに就業定時を過ぎてもちまちまいつまででも働く人がいます。
いかにも昭和チック。
勤勉が美徳で、上司が職場をあとにするまでは決して帰宅しないんです。
“僕にはやらなければならない仕事が沢山ある“、をアピールしながらの生き方なんです。
忙しい毎日を真面目に一生懸命に生きています、を売りにしているんです。
ここでは、勤勉をモットーに自己アピールする人たち心の叫びに耳を傾けてみます。
残業イコール会社貢献と勤勉を売り物にする
1日あたり1時間なり2時、残業をこなさないと気持ちが落ち着ないんです。定時で帰宅の路につくなんて考えられない。昔はそんな人が多かったんです。
今の働き方改革では考えられないでしょ。
昔は残業が美徳でサラリーマンとして手に余る仕事がないのは失格だったんです。
それこそ、給料泥棒と呼ばれちゃうの。
逆にこなしきれない量の仕事を抱えているのがデキル社員とみなされたんです。
今みたいにパソコンスキルが低いから仕事が遅い、だから残業せざるをえない、なんて見方はなかったんです。
話しは逸れますが、まだコロナ騒ぎの前に派遣社員を一人採用したんです。パソコン画面に映したエクセス表の縦計と横計を計算して、って頼んだら引き出しから電卓取り出したの。
あれには驚いたな!
働き方改革にも関わらず同僚や上司の帰宅状況をチラチラ観察して、そろそろ帰ってもいいか、みたいに調整してる人が半分くらいはいますね。
明日の仕事を今日のうちに
働き方改革が浸透しつつある中、いまだに昭和の概念にとらわれているサラリーマンは少なくないですね。
明日やれば間に合うのにわざわざ残業をしてまで仕上げようとするの。
で、聞いてみると、
もし、明日の朝起きたら体調不良だったら困るから、という理由がでてくる。
家族の中に具合が悪い人がいて、急に仕事を休む可能性があるから、という理由も出てくる。
この二人に共通することは何でしょうか?
自分の仕事は自分の物。他人には渡したくないと考えている点ですね。
他の誰にも対処できない仕事をこなしている、という気持ちが安心感を与えているんです。
この仕事さえ抱えこんでおけば、会社は自分を放り出すわけにはいかない、という保険のようなものです。
「業務をマニュアル化して手が空いている人が誰でも対応できるような仕組みにすれば、みんなが早く帰れてハッピーじゃないか」、という業務標準化がむしろ脅威なんです。
働き方改革で労働時間の短縮や、最長残業の取り締まりが強化されてきて、“タフさ”という強みが生かせなくなってくる。
年功序列でなくなった今、いつリストラの対象とされるか分からない。
だから自分にしかできない仕事が欲しいんです。
残業することで自分は会社にとって掛け替えのない人材なんだと思わせたいんです。
自尊心を満たすための何かが欲しいんです。
見捨てられて、切り捨てられるのが怖いんです。
最低賃金法でミニマムの給料が設定されたことで、激安で働かされていた人が救われると考える。でも、そこは微妙なんです。いままでは「安くても構わないから仕事をくれ」、と言っていたのが通用しなくなるんです。
最低でも〇〇〇円支払わないとならない。それなら今いる人員で何とか対応してしまおう、と考えるんです。
激安サービスの提供という強みが生かせなくなって、むしろアンハッピーに陥るんです。
コンサルタントに業務標準化を依頼するなんて
仕事を軌道にのせるには効率化が不可欠。
そんな欧米式のドライなやり方が恐ろしくて仕方がない。
定時を過ぎ、いつ帰宅してもかまわない状況なのにデスクで粘る人。
パソコン画面を難しい顔して覗き込んでいる人。
腕組みして、何やらぶつぶつ独り言を言っている人。
オレは難しい問題に取り組んでいる、というカモフラージュです。自分はこんなにも会社のために尽くしていますというポーズなんです。
やる事が無ければ帰宅すればいいじゃない、と思うけど、そうはいかない。
その気になればやる仕事はある。
でも、それを今こなしてしまったら、明日の仕事がなくなってしまうんです。
だから何も生産的な事に手を染めるわけでもなく、ただじっとパソコンを凝視して時間が過ぎるのを待つんです。
仕事をしているふり
確かにパソコンスキルが仕事のスピードや完成度を左右する時代ですね。
計算でも、レポートにグラフを掲載するにしてもエクセル、ワード、パワポができないと話にならない。もし、苦手意識があるとしたら、企業への居残りを考えるときには真っ先に克服しなければならないスキルですね。
後輩らを集めて勉強会をする
ところが、ワタシの職場には時間をムダに使うのに天才的な才能を発揮するベテランがいます。
早めに仕事が切り上げるのは、ほんとうにごく稀でたいていは1時間、2時間くらいの残業をして帰っていくんです。
その時間の使い方は、次の3つに凝縮されます。
仕事がスカスカの日は会議を招集をして同僚を巻き添えにしながら時間を潰す
若手社員を集めて勉強会を開く
パソコン上に小難しいいグラフやデータを映し出して、腕組みしながら難しい顔して画面を見入る
これらを駆使すれば、時間なんてどうにでも潰れますね。
狡いなあ、卑怯だなあって思うと同時に、とても気の毒に感じるんです。
景気が上向きでイケイケのときの営業マンって仕事イコール体力勝負だったでしよ。残業と接待の繰り返しで妙なハイテンションの毎日だった。
それが、歳をとり50代半ばを超え、働き方革命、効率化、業務標準化、残業禁止みたいな環境で自分の存在意義を会社に見せる為にストレスを感じているんです。
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