たとえ鼻クソみたいな苦労話や武勇伝だったとしても、お酒の力を借りてやっとこさ口に出したんだとすれば、その本人にとってみれば大きな出来事だったに違いないんです。
飲んでて少し酔いが回ってくると、苦労話と武勇伝を語り始める人がいますね。
普段は口にしないのに、アルコールで口が軽やかになるのは普段我慢をしていた証拠なんです。
酒が入るから抑制がいい感じで外れて、言いたい事がスムーズにでてくるんです。
気の弱い上司で、一杯飲まないと部下に説教をタレられないのと一緒。
反論される不安から普段はほとんど部下への指導もしないくせに、ほろ酔い加減が彼の背中を押して説教臭くなるんです。
ここでは酒の力で苦労話と武勇伝を語りだす人の特徴と、それらを楽しく聞く心構えについてお話させて頂きます。
苦労話と武勇伝の語りたがり屋は自己愛が高め
苦労話や武勇伝を語りたがる人って、自分の本当の価値を認めてもらえていないと危惧しているタイプなんです。
とくにお酒が入ってしゃべりだす人は、しらふの時は不安が先に立ってしまって口に出せない。
“お前らさあ、オレがどれほど凄いか分かっているのか?”って言えないの。
その理由は、自分の凄さにあんまり自信が無いからなんです。
コントや漫才を披露したあとで、「面白かったですか?」って聞けるのって、会場が大爆笑で包まれたのを本人らが知っている場合じゃないですか。
終始微妙な雰囲気だったら、とても怖くて聞けないのが人間ってもの。
酒の力を借りて、とは
よく“酒の力を借りて”という言い方をしますね。
緊張、不安、ドキドキを酒の酔いで紛らわせて、気の重いことを実行に移すわけです。
悪い意味で頭がギラギラに冴えて超緊張状態を和らげるための精神安定剤みたいな役割ですね。
苦労話や武勇伝に話を戻すと、本人は内心“他の人に比べたら自分は大した苦労をしていないんじゃないかも”って感じているんです。
普通の人はみんな、この程度の苦労をくぐってきている、と。
武勇伝にしても、この程度のことみんな経験しているよなあ、って思っている。
小さくまとまっちゃってる自分が嫌なんです。
でも、もう一方で自己愛があるから心の中で葛藤しているの。(食べたーい、でも痩せたーい、みたいなもの)
アルコールが入ると自制心が弱まるんです。
本音と建て前を最後まで崩さないとしても、本音側に寄っていくの。
“こんなことを口に出したら、、、、“みたいのが弱まってきて、オレのこういう部分を分かってくれ、っていう気持ちが強くでてくる。
苦労も武勇伝も、その人にとっては大きな出来事だったんだ
苦労とか武勇伝って、その人が歩いてきた道の凸凹加減みたいなものでしょ。
“人生、山あり谷あり”とか“楽ありゃ苦もあるさ”みたいなもので、“オレはこんなにタフな人生を歩んできたんだぜ“って自慢したい気持ちがあるんです。
生まれてから今まで何不自由なく平凡な人生をのっぺりと歩んでまいりました、ってのが男として嫌なわけなんです。
「実は俺、こう見えて10代最後の記念に背中に龍のタトゥー入れたの。今でも少しは裏社会にも通じていてさ、年に一度だけど集まりがあるんだ」とかワルぶってカッコいいと思っている人いるでしょ。
こんな安っぽい武勇伝でもいいから、人との違いを際立たせたいっていう欲求が男にはあるんです。
生きてきた証
どんな道を歩くかって話になると、覚悟が必要になってくる。
怖いけど困難に挑戦してみるとか、敢えて難しい世界に飛び込んでみるとか。
通用するか試してみたいとメジャーリーグに挑戦するようなイメージです。
苦労するのは間違いないけど、その先に何かがあるかもしれないというチャレンジですね。
それがいちばんの人生の醍醐味だとは思うんです。
一度きりの人生なんだから、と。
でも、現実問題、自分だけの苦労にとどまらないケースもたくさんありますね。
親に心配かけたくないとか、妻子のために稼がなきゃいけないとか、超現実路線。
普通に苦労してパッとしないサラリーマン生活で人生の大半が終わるの。
無理せずに定年退職まで勤め上げるためにメンタルのバランスを崩すような無理はしない。
だから勤め先での評価は中くらいで、普通に昇進して中間管理職で終わるみたいな感じね。
でもこれって、大半の人がやっている定番のサラリーマン生活で、結構ハードな人生ですよ。
虚しさを感じたとき
サラリーマン社会の熾烈な競争に参加できる人はまだ、達成感があるんです。
家庭を顧みずに、社内の出世レースで生き残るために全ての時間とエネルギーを注ぎ込むの。
それだったら苦労話も武勇伝もそれなりにできてくる。
水面下での脚の引っ張り合いとか、派閥抗争とか、手柄の奪い合いとか、、、。
でも今の時代は“男は外で仕事”では通らないでしょ。
家事も育児も夫婦で分担して対応していくのが常識になってきているから、人様に話して聞かせるようなたっぷり刺激のある経験なんてないんです。
息苦しいほど平凡でまったりとしたサラリーマン生活を無難にこなして賃金を得るのが家族を守ることにつながる。
ネタが尽きたら病気自慢・不幸自慢・変人自慢
ネタが尽きたとき、苦労自慢や武勇伝と並行して走っている病気自慢・不幸自慢・変人自慢に切り替えればいいんですよ。
“オレは波乱万丈な人生を送ってきたんだ”と断言することで、人生経験に付加価値をつけたいと感じているんです。
ほとんどのサラリーマンは同じような気持ちでいるの。
“小学校の後半と中学生の3年間はほとんど入院していたんだ”って病気時間の悲壮感で張り合ってくる奴もいる。
自分が作った企画書を横取りされた、アイディアを盗まれた、わざと答えづらい質問を投げてきて恥を書かされた等々の不幸話しで辛さをアピールするのもいる。
豚肉を生で食えるとか、加熱用のカキをそのまま食べても全然平気とか、ワサビ醤油だけでご飯が何杯でも食えるとか、、、、。
まとめ
苦労話や武勇伝を語りたくなるのが男の性質なんです。
ただ、普通のサラリーマンだったら波乱万丈の苦労話や刺激に満ちた武勇伝なんてもっていないのが普通なんです。
平坦な道を歩んできたことに男として劣等感がもつ。
酒を飲んで自制が外れるにつれて、口が軽くなると調子がでてくるんです。
話を盛って苦労話や武勇伝を語るのはストレス発散になるし、ネタが切れてしまったら病気自慢・不幸自慢・変人自慢でもいいんですよ。
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