「どおだ、うらやましいだろう!」と思わせるのが生きる目的になっている人。
高級な外車を乗りまわし、三ツ星レストランでフレンチのフルコースを食べ、ブランドの腕時計をはめ、老舗旅館に求まる。
バーバーリーのコートも、フェラガモの靴も、新潟コシヒカリも、名古屋コーチンも、宮崎マンゴーもぜーんぶ見せびらかすためなの。
自分が他人より恵まれた環境にあって、優越感を感じるのが一番の楽しみなんです。
そのためだけに散財するんです。
ここでは他人との比較でしか幸せを感じられない人について考えてみたいと思います。
オンリーワンもナンバーワンもいらない、知り合いより優位いるだけで幸せ
志が高いわけじゃないんですよ。身近な人よりも恵まれていて“どうだ、うらやましいだろう!”と満面の笑みを浮かべるのがなによりの幸せなんです。
こういう人いるでしょ。
最初はそんなに露骨にアピールしてくるわけではないんです。アルマーニのスーツとローレックスの腕時計をはめていれば、たいていの人は気づきますから。
「高級ブランドで完璧にまとめてますねえ」と言われるのをまっているの。
だから、こっちは全然気づかないふりを貫いて、奴がつぎにどう出てくるかを待つんです。
「このスーツ、アルマーニなんだけどさあ、そんなに高いわけじゃないんだよね」
「アルマーニって何??」つてわざと聞き返す。
「ローレックスってスタイル的にはイマイチだよねえ、、」
「えっ、その腕時計のことですか?なんかごっつい感じで時代遅れっぽいなあ」なんてぐあい。
誰でも優越感は味わいたいけど
会社の同僚に東南アジアが大好きな奴がいるの。タイとかベトナムとかインドネシアとか、あのあたり。
アメリカやヨーロッパに比べれば近いし、行くには楽ですよね。
それに物価も安いからお金の面でも助かる。
節約すればアメリカやヨーロッパもいいところたくさんあるよ、とアドバイスするけど行かないですね。
仕事では行ったことはあるけど、英語のネイティブスピーカーとしゃべるのが好きじゃないらしい。
イギリス以外のヨーロッパならいいじゃん、と聞いてみると、やっぱり嫌なんだって。
なんとなく欧米人が自分よりも偉い人に思えるんだって。
それに比べて東南アジアにいると落ち着くし、安心するらしいの。
日本の方が経済的にも上だし東南アジアより勝っているし、治安的にも東南アジアより日本の方が安心じゃない、って聞いてみたんです。
すると、東南アジア好きをひとことで言うと、優越感だそうです。
経済面とか治安がどうのこうの、っていうんじゃなくて自分の方が上だという優越感があるのだそうです。
言われてみればわからなくもない感覚ですね。
王様になったような気分ってところでしょうか?
日本にいても楽しめたい人、モノを買っても満足できない人
多分彼は、日本にいるあいだも、ある種の息苦しさやストレスを感じているのでしょうね。
会社勤めしながら、慢性的な不安に悩まされていて、たまに東南アジアを旅行して気持ちを一新させているんだと思うの。
発展途上国の自分よりも財産も教養も低い人を見て、俺だってまだまだ捨てたもんじゃねえよと安堵するんでしょうね。
ここが、冒頭の“俺のことがうらやましいだろう”と高価なブランド類を身にまとうことで、自分の立ち位置を上げる人間と通底しているように感じるのです。
金を出して安心感を買う、みたいな感じね。
ブランド人間の場合、周りの人がうらやましがってくれないと、満足しないわけです。「オレが自腹でどんな豪華な品物を買おうが俺の自由だろう」というのとは全然違うわけ。
大枚はたく理由は自分の物欲、食欲(三ツ星レンチ)を満たすのが目的じゃないんです。
たった一人で三ツ星フレンチを黙って食べて、味覚を満足さえて帰るわけではないんです。
高級スポーツカーで高速道路を気持ちよく走っても、全然満足なんかしないの。
周囲が「凄いですねえ、うらやましいなあ、俺も欲しいなあ」って言ってくれないと意味がないんです。
今の自分じゃあ通用しない|自尊心の欠如が二人の共通点
この二人はともに自尊心が低いですよね。
今のままの自分じゃ通用しない、って思っているの。
片方はブランド物や高級食で自分を持ち上げ、周囲もその持ち上がりぶりを見て、わあすごいとひれ伏す。
もう一方は、初めから自分の方が上だと思える東南アジアに逃げる。
心の断面がスライスされたフランスパンみたいにスカスカなの。
勝負に出たことがないから成功体験もない。
叱られた事はあっても、そこから何かを得た経験もない。
今となっては周囲がみんなオッカナイ敵にしかみえないのです。
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