「そんなんじゃ全然甘い、基礎ができてないじゃん。甘々もいいところ」と仕事の事情がまだ呑み込めていない新入社員や中途社員を相手に、上から目線で高圧的な先輩風を吹かす人がいる。
実際には大した実力があるわけじゃないのに、オレが上だからな、と地位的優位を利用してにらみをきかせるんです。
なんらロジカルな理由もなく相手を否定して、萎縮させる作戦を連発する。
ここでは、「あの人苦手だ」と思わせる心理操作の裏にあるポジションパワーの利用について解説しています。
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自分に自信のない人が“甘い”を連発する
本当に詰めが甘かったり、仕事に対する根本的な考え方が間違えているなら、言われても仕方がないですね。でも確固たる理由もなく、“オマエは甘いんだよ”を連発する人は、ハッタリで自分に自信がないのをカバーしようとしているんです。
何を言っても”甘い、オマエは甘い“と返してくるだけ。
こういうタイプの人はこんなセリフもよく使います。
- 全然わかってない
- 基礎ができてない
- ちっともわかってない
- センスがない
- そして、甘い
とにかく抽象的なんです。反撃されないために、どこがどう悪いのかは言わない。実際にはわかっていないから言えないの。
具体的に言ってください。そんなの自分で考えろ
何度考えても自分のどこが悪いのかがピンとこないんです。でも繰り返し言われ続ける。
「甘い、全然なってない、何もわかっていない」と。
この抽象的な攻撃を受けた方は、最初はスミマセンと謝りながら釈然としない気持ちを抱くわけです。でも自分自身で何が悪いのかがわからない。
悩むんです。
でも答えなんてでないでしょ。
それで意を決して「具体的にどこが、どんなふうに悪いのかを教えてください。」と頼む。
すると、
「そんな事、自分で考えろ」と返ってくるの。
これを繰り返しているとストレスがどんどん溜まってくる。溜まり過ぎておかしくなる人もでてくる。
同じことを何度も何度も確認するようになると、脅迫神経症みたいな精神状態におちいるんです。
何度手を洗っても汚いような気がして洗うのをやめられない。玄関の鍵をかけたのに、しばらくするとかけていないような不安に襲われる。自分が納得するまでに何度も鍵をチェックするんです。
そんな確認魔に陥る危険性があるんですよ。
もしくは、“甘い”を連発する人が怖くなってくる。うつ病に陥る人もいます。
この“甘い”を強要するのを何パワーっていうかご存じですか?
ポジションパワーっていうんです。立場上の優位性を利用する脅しです。パワハラの一種なんです。
このポジションパワーの存在を知っているのと知らないのとでは、雲泥の違いなの。
こいつ、また立場的優位を利用して好き勝手なこと言ってるな、って気づけるんです。だから、抽象的な非難を受けても受け流せるようになる。
*たまに、口下手の人がポジションパワーを使っ良いアドバイスをしてくれる事ってあるんですよ。
「とにかく素振りを100本やってみろ!」みたいな命令口調。で、今更なんで素振りなの、と思いながら言われるとおりにしたら、初心に帰れて急に前向きになれた、とかね。
こんな時は正論で行けばいい
ハッタリだけで後輩を痛めつけるような人のセリフを気にする必要はないんですよ。周りのみんなもわかっているはずですからね。
でも癪に障るわけですね。ムカつくわけでしょ。
そんなときはどうすればいいのかをお教えします。正論で行けばいいんです。
”甘い“という言葉は普通に考えるとパワハラのニュアンスはほとんどないんです。パワハラの回りに煙幕を張る効果を発揮するんです。優し気な言葉にはそんな効果をもたらしてしまうのです。
相手はそれを利用していることに気付いてください。
でも実際に毎日毎日、オマエは甘い、考えが甘い、詰めが甘いと言われ続けたらストレス以外のなにものでもない。しかも、どこが甘いのかを謙虚に聞いても答えてさえくれないわけです。
だから、まず自分の上司に相談するわけです。相手がパワハラを仕掛けてきていることを上司に理解させれば、それで勝ちなんです。
「~さんから、毎日、甘いと言われ続けて悩んでいるのです。自分のどこが甘いのかがわからないから直接聞いたこともあるのですが、教えてもらえないのです。ストレスが溜まって夜も気になって眠れないので課長から、ワタシのどこが甘いのかを聞いていただけませんか?今日、診療内科医の予約があるので早退させていただきます」
これで一丁あがりです。
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