「偉い人」と「偉そうな人」は根本的に違っています。「本当のVIP」と「VIP扱いされたい人」の違いなのです。
このVIP扱いされて喜んでいる人ほどみっともないものはないですね。後ろ手でのろのろ歩きながら、
「キミたちの未来は、この私がつかさどっている」みたいな雰囲気をわざとらしく醸し出しているタイプ。
頑張って、頑張って登り詰めた感が全身から滲み出ていて、イタイタしいいんですよね。それまでの苦労と帳尻が合うだけの暴言(わがまま、自分勝手)を吐く権利を与えられていると思い込んでいる。
この手の人は這いあがってくる過程で全精力を使い果たしています。死に物狂いでへとへとになって這い上がってきましたから余力がない。強烈に自己愛が強く、万人から認められたいタイプです。
なによりも、上に立つ事が目的でしたから、それからのビジョンなんて何もないのです。いまから再び力を振り絞って何かを成し遂げるなんて気はさらさらない。ただ、上に君臨することだけが目的の存在なのです。
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VIP扱いされたいお偉いさんを動かすには
VIP扱いされたいお偉いさんを動かそうと思ったら褒めるのが最優先です。小難しい相談とか、問題解決の指示を仰ぐなんてもってのほか。だって、何もしたくないのですから。
君臨の醍醐味は、下の者をあれこれと顎で使う事ですね。自ら汗を流すなんてこれっぽっちも考えていないのです。
唯一、心にスーッと浸透してくるのは褒め言葉です。歯の浮くような見え見えのお世辞でいいんです。
どんどん褒めて、ほめちぎる。VIP扱いされるのが最高の快感ですから、社外の親しい人の応援も仰いで丁重に褒めちぎりましょう。
苦労話を聞いてあげるのも効果絶大ですよ。それと、武勇伝を興味深かげに聞いてあげる。武勇伝を語るのは自己愛が強い証拠です。
どんどん話させて気分を高揚させてあげてください。武勇伝の聞き上手は酒の席にも誘われるんです。
ただ酒飲めます。
くだらない自慢話を2時間も3時間もきかされるのは、たまったもんじゃないですが、ここはひとつ根性で持ちこたえてください。
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使い道はあるのかを?
こういう仕事もしないで、偉ぶっているだけの人って使い道はあるのでしょうか?
これが、あるのです。役には立ちませんが、一応、お偉いさんですから、それなりに情報はもっているのです。だから秘密裡の情報源として使うのが最も有益なのです。
社内外の重要な会議に参加していますから、一握りの人しか知りえない情報を持っているんですよ。社運をかけての一大プロジェクトとか、急な人事異動の情報なんかも持っていますよね。
さらに他の重役たちとの横のつながりがありますから、普段お目にかかれないお偉いさんの考え方のクセなんかも把握できるわけです。
それらの情報を聞き出すためには取り入らなければなりません。気に入られて懐に飛びこむ。仕事の問題でつまずいたときには全く頼りにはなりません。単に肩書で生きているひとですから。
でもその肩書があるだけで得られる情報はたくさんあって、それを盗み出そうというわけです。
手のひらの上で転がすためには
VIP扱いされたいお偉いさんを手のひらで転がすには、どんなふうにすればいいのか?
ひとことで言えば、弱みを握るに限ります。ただし、こういう人を上手く使えば、さまざまメリットを享受できますから利用できるうちは気分を害させないのがポイントですね。
やりかたはそんなに難しくはないのです。少し時間が掛かるのですが奴の仕事をどんどん取り込んでしまうのが一番いいんですよ。
褒めちぎって気分を良くさせます。その次に武勇伝を死ぬほど聞いて、もっともっと持ち上げる。お酒にも同席して少しずつ、秘密情報を取れるようになればこっちのもの。
「偉くなると仕事も大変なんじゃないですか?」
とタイミング良く言えれば、案外食いついてくるかもしれません。
「実はな、来週の重役会議で2020年のマーケットの見通しについて発表しなければならないんだ」
こうなればこっちのペースです。
自分がレポートを作成しますから関係資料一式を貸してください、とつなげる。重役会議で発表するためのレポートとか、会議資料とかをどんどん吸い上げてしまう。
奴はどうせ仕事嫌いなので、代わりになんでもやりますよ、と寄り添っていけば喜んで内部事情を漏らすはずです。社内の機密事項でもなんでも、聞き出し放題になるわけです。
それらを聞き出してしっかりと記録する。
何時、どんな会話のか中で聞き出したのかもメモしておくと便利なんです。本来、他言無用の情報を漏らしているわけですから、弱みを握るには最高のネタじゃないですか。
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