貿易取引は信用状(L/C)決済で契約せよ|失敗しないプロの代金回収術

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気乗りしない仕事でもやらなきゃならない時もあります。

売り先がパキスタンなんてリスキーすぎるのに、、、。

こんにちは、戸田裕二です。

パキスタンの会社からビジネスオファーがありました。

物を売るのはいいけれど、無事に代金回収できるかどうかが心配なのです。

この原稿では、リスクのある客先との貿易取引の契約で代金回収に失敗しない為の信用状(L/C)決済について解説しています。

信用度の低い客先に品物を売る場合には、確実に代金を回収する方法として、“IRREVOCABL LETTER OF CREDIT WITH COFIRMATION”を決済条件として契約締結するのが一番なのです。

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取引先を評価

 

取引先を評価する際に使えるのが、MoodysS&Pなどの格付け会社による客観的な評価です。

まず、ビジネスの取引相手がどこの国にあるかを調べます。

MoodysS&Pという格付け(評価)をする会社がありますが、それをパソコン検索すると世界中の国の格付け”ランクが出てきます。

パキスタンはB―で、決して安定的とは言えないカントリーリスクがある国という意味です。

ちなみに、日本はAです。

 

カントリーリスクのある国の会社との貿易取引で、どんな決済条件が最強なのか、を探っていきます。

 

 

決済条件を決めていく

 

 ◆前金で契約全額を全て払ってもらうのが一番。

でも、パキスタンは国が通貨を管理していて、ビジネス上で前金を支払うことを全面禁止しているのです。

何年か前までは、少額の前金は許されていたのですが。

だから前金は不可能です。

 次に考えるべきは、

◆信用状(L/C)決済の提案です。

 

連帯保証人を要求するよりも、相手に対し印象は悪くないでよ。貿易取引としてはごくごく一般的な代金決済手段です。

貨物を出荷した後で、B/L, INVOICE, PACKING LIST, 保険証券を銀国に提示して全額銀行から支払ってもらう当方法です。

しかも、一度、L/Cを 開設したら取り消しできないという厳しい物です。

Irrevocable Letter of Credit at sight

 ところが、パキスタンの銀行だと信用置けないのです。

日本では銀行が倒産することなど滅多にないですね。でも外国では珍しくないのですよ。

危ない銀行(倒産リスクが高い銀行)は、預金の利率が異常に良いのです。アルゼンチンなんかは年利25%の銀行も存在しまし、ロシアも10%近い銀行が結構あります。

でも、こういう銀行にL/Cを開設されても困るわけです。

いつ倒産するか分からないので怖くて取引できないですよね。倒産するかもしれない銀行のL/Cなんて 価値がないですから。

 

その場合に、Confirmation を付つけさせるのです。

このConfirmationとは、危ない銀行が開設したL/Cを別の銀行が債権保証するという意味です。

パキスタンの銀行が倒産した場合、そこに代わって代金を払ってくれる、というシステムです。

 

僕の場合は、パキスタンの取引に対して、下記のようにL/CConfirmationを要求しました。

We need confirmation by first prime bank in Europe or America (for example : Standard Chartered Bank Dubai Branch)

 

売る掛け金の焦げ付きを防止する目的で、僕の勤めている会社では下記のようなルールを決めています。

L/Cを開設する国の評価

Confirmationをつける銀行の評価

この二つをMoodysの格付けで評価し、合計ポイントが11点以上になるようにConfirmationを付ける銀行を選定してもらっています。

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銀行買い取り書類はシンプルに

 

銀行に提出する書類はシンプルがベストで、下記あたりが一般的と考えてください。

  • INVOICE
  • B/L
  • Insurance Policy
  • Packing List
  • Certificate of Origin(Sellerが発行したもの)
  • Certificate of quality
  • Certificate of IPPC

 

これ以上の書類を要求された場合には、具体的にどんな書面で、誰が発行するものか、署名は必要なのかどうか、をしっかりと確認します。

自社で作成できる文面で、署名も誰でも良ければ大丈夫ですが、銀行のサインや役所の署名が必要なものは極力断るべきです。

  

L/Cの開設時期

 

契約書で代金決済の方法として“Irrevocable Letter of Credit at sight with confirmation”としていても、いつL/Cを開設してもらうかが重要です。

 

◆自動車100台の場合◆

この場合は、自動車を出荷する前にL/Cを開設してもらえば言い訳です。

逆に言えば、L/Cが開設されない限り出荷しない、というスタンスで言いのです。

なぜなら、自動車は転売できますからです。もし相手がL/Cを開設してこなければ、準備した自動車は別の客先に販売できますね。

  

◆自動車を生産するための専用設備◆

この場合は、仕事に着手する前にL/Cを開設して欲しいですよね。

もし既に設計着手していたり、材料となる鋼材を手配していたらどうなりますか?

転売できればいいですが、設計図面などは転売するのはかなり難しいのです。鋼材だったら別の用途に使えると思いますが、それでも何らなの損は発生します。

 

ただ、実際にはL/Cの開設にかかるコストは、開設期間が長ければ長いほど高額になります。買い手は出荷直前までL/Cを開設したがりません。開設時期を遅らせたい気持ちはわからなくもありません。

それならどうするか?

一端、ビジネスのスタートラインに立ち戻って考えます。

ビジネス相手が商談を持ちかけてきたのは、その品物が必要だからです。

もし、品物を必要とする根拠が全く見えないのであれば、設計着手と同時にL/C開設を求めるべきです。

パキスタンの会社からしっかりとした理由を聴くことができたのなら、材料手配のタイミングまでにL/Cを開設してもらえればいいと、譲歩してもいいのではないかと考えます。

 

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