袴田巌死刑囚・精神が受ける重圧|生き地獄に叩き込む死刑判決

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袴田巌死刑囚の突然の釈放

  

NHKスペシャル『我生還すー神となった死刑囚・袴田巌の52年―』が201810月深夜に放送された。

袴田巌死刑囚が20143月、突如釈放が告げられたところからドキュメントは始まった。

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 1966630日、みそ製造会社全勝、家族4人の焼死体から殺傷痕が残されていた。

袴田巌は当時30歳。住込みで働いていた。その袴田の血液B型が殺傷された家族の衣服から件室され、逮捕。

連日12時間の取り調べで殺害を自供したと報道された。

 

この袴田死刑囚の拘置所を定期的に訪ねたのが巌の姉だった。

『我生還すー神となった死刑囚・袴田巌の52年―』で目を見成るシーンが袴田巌さんが自分自身に施した自己暗示で神となった場面。

袴田さんの面会に通っていた姉によると、死刑判決を受けた10年後頃から巌さんからの手紙が一変したと言います。


面会に行っても全く話がかみ合わなくなったわけです。

死刑判決後10年目の巌さんの生の姿はドキュメントフィルムには映されてはいません。

 

 独房での10年間は死刑の恐怖と常に隣合わせ。

朝10時にお迎えがこなければ、明日までは生き延びられる。

日曜日の死刑執行はないから、土曜日の10時を無事過ごせれば48時間は安全。

正月三が日は死刑執行がないから、大晦日の10時を通過できれば72時間は安全となるわけです。

巌さんは言います「人間は死ぬのが怖い。でも本当に怖いのは死ぬのが怖いと感じ取る心なのだ」と。

四六時中、明日は自分が呼ばれるのではないか、という死の恐怖です。

その恐怖から逃れるために自分自信の心の中で変革を起こした。

妄想によって、死刑の恐怖からのがれたのです。

 

自分は殺人犯ではない。殺人犯の汚名を着せられた神なのである。

神である以上、どんな汚名を着せられようが、しけになど処することなど誰にもできない。

自分は神なのだ。と。

それを毎日毎日心の中で反復しつづけ、ついに自己暗示に成功した。

 巌さん自身が神様になった。

いかなる理由があろうとも、神様を殺すことは断じてできない、という観念が巌さんの中に確立された。

その観念は2014年、突然釈放されたときにも見て取れた。

今も、変わらない。

巌さんが釈放されたのは79歳だったはずですが、全然ボケていません。

ボケる余裕などなかったのでしょう。

神になったと自覚しつつも、もう一人の自分が置かれた現状を把握していたのでしょう。

それから2014年に釈放さえるまでの約40年間は自己暗示の神として過ごしてきたわけです。

おそらく、もう一人の冷めた自分とともに。

 

現在の統計では、死刑と極刑が確定されてから、刑が執行されるまでの平均年数は75ヶ月です。
当時はもっと短く3年弱くらいのはず。

袴田巌さんの場合、いくらなんでも長すぎるわけです。

衣服に付着していたB型の血痕を逮捕の決め手としたのが、あまりにも乱暴だという判断があったのかもしれません。


もしくは、犯人が履いていたズボンが当時の巌さんの体型あっていなかった(小さすぎて履けなかった)からなのか。

 その後の取り調べでも犯行を認めなかった巌さんに、自供を求める取り調べが続いた。

取り調べの際中には、疲労で意識が朦朧とするなか自供したとマスコミは取り上げたものの、取り調べをすべき録音していた録音器には、巌さんの自供の声は残されていないのです。

がくりとうつむいた首の動き程度の、曖昧な返答だったのでしょう。

その後、裁判では無実を訴え続けたわけです。

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死刑囚として50年独房で

 

死刑囚は常に死と向き合っている。

死を考えないようにすることも、気晴らしで一息つくこともままならない緊張状態。

発狂寸前の精神状態。

死刑囚はノイローゼになる事で死を忘れようとする。

明日にも執行されるかもしれない刑。

その限られた時間の中で、病的な陽気さや、多忙さ、過剰な運動を自らに課す。そうでもしなければ、死の恐怖から逃れられない。

 

無期囚には真逆な時間が流れる。

くる日もくる日も何一つ変化のない単調な生活を強いられる。

濃淡のない薄められた時間が延々とつづくわけだ。無期囚は動きが乏しく、時として不調を訴えてくる。抑うつ機敏に陥る物もすくなくない。

 

ある容疑者が一審で死刑判決を受けたのち、控訴審で無期刑を勝ち得た。

その瞬間に目を輝かせた。

すぐさま頭を丸坊主に刈り込み、全身全霊で無期刑を全うすると誓ったのだ。

いつお迎えが来るか分からない死への極限の恐怖から解き放たれた瞬間だった。

そして、ひとつの目標を見出した。

10年間、無期囚として立派に勤め上げれば仮釈放の願いをも夢ではないと。

それほど、死刑と無期刑の間には雲泥の差があるのです。

一生刑務所からでられないなら死んだ方がマシ、というんは死刑判決を受けていない人間だからこそ口に出せるセリフなのです。

  

袴田巌さんの脳が選んだ死からの解放とは

 

言動に変化とは、落ち込んだり、明るく振舞ったりという意味ではない。

躁鬱状態や、癲癇、虚飾など死刑囚にとって当たり前の拘禁反応です。

独房での生活を強いられる囚人に共通する精神病なのです。

袴田さんにとっても、他の死刑囚同様、死の宣告は恐怖以外のなにものでもないわけです。いても経ってもいられないほど怖い。

拘禁反応からくる神経症、癲癇、うつ状態、躁御状態などの精神異常を繰り返し表す。

気違いになることで自殺を回避している。

なぜならば、それ以外に方法が無いと思っているから。

 

10年目の変化とは拘禁反を経た後の、自己暗示の結実による神への生まれ変わりの事なのです。

それが、巌さんが恐怖から逃れるためにとった手段だったわけです。

しかし自分を神だと自己暗示かける為には自分が無罪潔白であると顕在意識も潜在意識もしっかりと感じ取っていなければ無理なのです。

口炊きだけで無罪を主張していても、実際に自分が犯人であると知っている以上、自己暗示など潜在意識が拒否してしまう。

自分で自分を騙す事など、そう簡単にはできない。

今を持って、袴田巌は自分を神であると信じ続けている。

それが、無罪のなによりの証拠だ。

それにしても、拘禁反応について一切触れようとしない,NHKのドキュメントはいかがなものか?

死刑と無期というテーマではないから、致し方無いかもしれない。

しかし、仮にも突然釈放した元死刑囚をねぎらう気持ちが検察には一切ないように思えた。

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現在、独房で暮らす林真須美死刑囚

 

全て歯が向け落ちた林真須美死刑囚。

2009年に死刑が確定し、来年で丸10年が経過する。

拘禁反応も出ている。

 

林死刑囚の自宅に置かれていたヒ素と、カレー事件の現場に残されていたヒ素は厳密には同一ではない。

純度が違っている。

事件現場に残されていたヒ素の方が純度が高いことが京都大学の検査で証明されている。

林死刑囚の家はシロアリ駆除の仕事用にヒ素を保管している。

そのヒ素をカレーに混入したのだと検察は言うが、純度の低いヒ素を煮詰めても、高い純度のヒ素は作れない。

状況証拠が完全に崩れている。

だから死刑執行ができないのだ。

まさに、袴田巌元死刑囚と同じ状態。

このまま20年後に林真須美死刑囚も突然釈放されるのか??

2019年5月の天皇陛下即位で恩赦、釈放か?

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