サイコパスとノルアドレナリン
犯罪に手を染め続けるサイコパスは決して衝動的でもなく、過剰攻撃でもないのです。
サイコパスの殺人犯は、死体を必要以上に傷つけ痛めつける。
死体から手足を切断し、首を斬り落とし、腹部を割いて内臓をひきづり出す。
でも、そんな非情な行為に没頭しているあいだも、いたって冷静だといいます。
興奮状態でもない。
心拍数は低く安定し黙々と作業に没頭するのです。
信じられますか?サイコパスは、脳がアルファー波を発し、リラックスした心地よい精神状態で遺体の解体をしているのです。
返り血を浴びながら、鼻歌交じりで大腿骨を鋸刃で引いている。
冷たい氷のナイフのような存在なんです。
脳内で分泌されているのは、ストレスを感じたときに出るノルアドレナリンではなく、「快楽ホルモン」のドーパミンの方なのです。
人を殺す瞬間と殺した死体を切り刻んでいるときにこそ、彼らは快感を得ています。
わたしたち普通の感覚の人間が目を覆いたくなる瞬間に、至福のひと時を味わっているのです。
ノルアドレナリンとは
脳内伝達物質のひとつに攻撃ホルモン・ノルアドレナリンがある。
人間はストレスに直面したときにノルアドレナリンが脳内分泌され臨戦体制にはいるのです。
臨戦体制って決して心地よい状態ではないのです。
怒り・恐怖・憤懣・イライラ等のネガティブな気分。
敵と対峙したときの心理状態ですから、当然といえば当然ですね。
戦うか逃げるかの切羽詰まった状態で、フィジカル的にはアドレナリがMAXで、筋肉は硬直し、心拍数は極度に高まった状態です。
この「攻撃ホルモン」ノルアドレナリンが人に衝動性を発揮させるのです。
でも、これが犯罪行為を助長する犯人なのでしょうか?
殺人罪、傷害罪で服役している受刑者の犯行時のストレス反応はいかなるものだったのか気になるのです。
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脳の機能が正常だとしてもストレスを受けたときの反応には個人差があります。
脳内で分泌されノルアドレナリンの量は人によって上下するのですね。
人の性格はさまざまで、神経質、大胆、ズボラ、おっとり型、臆病、等々。
これらの性格がストレスをうけた際に影響を及ぼします。
さらに、生きてきた過程で得た経験によってもストレス反応はだいぶ違ってきます。
トラウマ・PTDSともなればなおさらだす。
ノルアドレナリンの過度の分泌には、キレやすく狂暴というイメージがダブってきます。
分泌過多だからキレやすい。
生まれつき分泌量が多いから衝動的で過剰攻撃的な性格が形成されしまったのか?と。
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サイコパスは反社会性人格障害と定義づけられています。
人の痛み、苦しみ、悲しみに共感できない冷血人間です。
人の気持ちに共感できないくせに、人の顔色・表情から実に巧みに相手を観察し、どんな心理状態にあるか正確に把握するのです。
そして、こいつ悲しみに打ちひしがれているな、とそこをつけ狙っていくのです。
裁判で刑罰が決定される過程で、加害者の反省度合いが加味されますね。
でも犯人がサイコパスであったなら反省などを期待するのがそもそもの間違い。
被害者や、その家族の気持ちを感じ取る能力がないのです。
やつらの中に宿る人間性などを期待してはいけないのです。
酒鬼薔薇聖斗は医療系の少年院で育て直しを施されました。
でも、それが何の役に立ったのか?
治るわけなどないと精神科医も知っていながら、ほかにやれる事がないから育て直しをほどこしました。
精神鑑定で犯行時の精神状態を検証し、責任能力の有無を判断します。
ノルアドレナリンが過度に分泌され発症した統合失調症だったとしたら、当人は幻聴・幻覚に取り囲まれている可能性が大です。
「あいつを殺せ、なぜなら、あいつは宇宙人で地球をのっとる計画を立ているからだ」と本気で信じ、犯行に至っているのです。
こんな症状の人だったら薬物療法が効果的で、正常に近づけることができますね。
不幸にして犯行を犯してしまったとしたら、治療をすることで、みずからの過ちを認め、反省するようになります。
でもサイコパスは無理です。
薬では治らないのです。
もって生まれた人格が犯罪傾向にあるのですから。
そういう人だと諦めるしかないのです。
犯罪に手を染め、その快楽がドーパミンを大量に分泌させ殺人依存症ができあがってしまった。
我々からみると100%腑に落ちない動機から犯行を重ねていたとしても、これは狂気ではなく、かれの人格なのです。
平気で人を殺し、楽しみながら死体を傷つけている。
これが実態なのです。
そんな冷たい氷のナイフのようなサイコパスがまわりには多く存在しているのです。
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