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パニック障害としつこい予期不安
予期不安に苦しめられている方々に贈る本当に効くお守りをご紹介します。
お守り法を唱えるワタシも、相当長い期間(20年)、 パニック発作の予期不安に悩まされてきました。
またドキドキしださないか、という不安です。
パニック発作になったとしても、10分、15分くらいでおさまる、と専門書には書かれています。でも、怖いのです。
もちろん、精神科医にも相談しましたが出口がみつかりませんでした。
一般的によく言われるのは、 誰にでも不安はある、それに立ち向かう強靭な精神力が大切だ。
そうは言っても、意思の力で対抗できるような相手じゃないのです。
もしくは、反対に 開き直って、発作を歓迎するくらい楽観的になれば予期不安のほうから逃げていく。
後者については、やや似たことを精神科医にアドバイスされたことがあります。
『不安になったら、パニック発作に向かって、来れるものなら来てみろと言ってやりなさい、そうすると不安のほうが去っていってくれるよ』
パニック発作こそ起こしませんでしたが、予期不安が消えることはありませんでした。
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予期不安って奴は、本当にしつこい。執拗につきまとってきて、げんなりするのです。
いい加減、勘弁してくれよっていいたくなる。
たいていの厄介事だったら、ここまでしつこいと、もう嫌だ、どうにでもなれよ、 もう疲れた、 好きにしてくれ、とこっちも捨て身になれるじゃないですか。
しかし、パニック発作の予期不安だけは別物です。 とてもじゃないが、どうにでもしてくれよ、とは言えないのです。
頼むから発作にだけは襲われたくない、という神様に拝みたい気持ちにしかなれないのです。
強靭な精神力で対処できる相手ではないのです。
極度の緊張は太古から遺伝的に引き継がれた緊急対処の一環
パニック発作の突然の心臓のドキドキや、脚や腕の筋肉の硬直、交感神経の異常は興奮は本来、人間にとって必要なストレス反応だったものなのです。
太古の昔から、人は獣と戦いながら進化してききました。獣と対峙した時に、とっさに逃げるか、戦うかを判断しなければなりません。
そのいずれを選択するにせよ、心臓から大量の血液が全身に送り出され、強靭な筋肉で素早く行動しなければ獣の餌食となってしまう。
人間のサバイバルには全ての神経を最高潮に興奮させるべき瞬間が必要だったわけです。
人類の誕生を2足歩行だとすれば、それは700百万年前のことです。
人間が火を使用し始めたのが100万年前です。700百万年前から、逃げるか、戦うかの選択を迫られ、神経の最高潮の緊張で対処してきたわけです。
その脈々と受け継がれてきたDNAが、急に消えるわけがないじゃないですか。
パニック発作の時の、あの極度な緊張は、人類が生き延びるために必要だったのです。
誰の身体にもシステムとして備わっているのです。
予期不安に開き直れないのが人間です
書籍で、こんな事例を読んだことがあります。
その人は海外出張先のホテルの部屋でパニック発作に襲われたそうです。
何度かパニック発作を経験している方で、そのときもホテルの部屋の椅子に座ったままじっと耐えていたとのこと。
10分くらい経てば、消えていくのがわかっていたから、だそうです(1.1パニック発作が起こる原因とメカニズム)。
椅子にすわり、パニック発作で全身の筋肉が硬直してガタガタ震え、それでも気が狂わんばかりの強烈な不安に耐えるしか、なす術がなかったそうです。
そのうちに、こうやって遠い故郷から離れた地で、ひとり発作でガタガタ震えているのも悪くないな、と思った瞬間、パニック発作がうそのように晴れた、と書かれていました。
これは、開き直り法を偶然にも実施した事で、回復することができた例ですね。
これがきっかけで予期不安からも解放されることもあるようです。
ワタシがここでご提案するのは、『開き直り法』でも、『強靭な精神力』でもありません。
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予期不安のお守り
『お守り』なのです。
お守りといっても、お寺や神社で売られているものではなく、薬の事です。
ワタシの場合は、飛行機でパニック発作に襲われました。
実際には、それ以前にも閉所恐怖症があって本当に狭いところや閉鎖空間がNGだったのです。
でも、飛行機でパニックに襲われて以来、新幹線、特急列車、観覧車、、等、ことごとくダメな乗り物が出てきました。
その特徴は自分の意思で途中下車できないという物です。
ワタシのパニック障害は悪い意味で広がり、増々悪化していきました。
歯医者、床屋もいったん椅子に座ったら途中で止められないので、精神安定剤を呑んでから行くことにしていたのです。とにかく、ウザいのですが恐怖から抜け出せないのです。
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パニック発作が怖くてファクシミリが流せなくなった
今でこそ使用頻度が激減していますが、ファクシミリがダメにもなったのです。 変でしょ?
一回送信すると、もう取り返しがつかない、みたいな不安があったのです。
これは本当に苦しいです。手のひらがビショビショになるくらい汗をかいて、ファックス機の前で10分も20分もオドオドしているのです。
こんな自分が情けなくて、嫌になります。でもスタートボタンが押せない。
仕事で必要なのに、パニック発作に襲われるのが怖くてファクシミリを流すに流せないという最悪な時期がありました。
上司に、ファクシミリの原稿を見てもらい、送信許可を戴くというふうにしました。
本当は送信許可など必要のない、日常的な内容だったのですが、そうすると気持ちが楽なのです。
当時、ワタシの身体を気遣ってくれた上司に、本当に感謝です。
パニック障害の治療として、精神安定剤と抗うつ剤で治療を開始しました(3.1薬物の効き目①、②)。
不安を取り除く精神安定剤と、パニック障害を治療する物です。
日常生活を送る分には、これで何とかなっていたのでしょうが(自分なりの工夫として内観法とマラソンを取り入れ)、仕事の都合で海外出張しなければならない時がしんどいのです。
海外出張が決まった時から、予期不安にじわりじわりと苦しめられます。 寝ても覚めても、飛行機でまたパニックに襲われたらどうしよう、とこればかりです。
大丈夫と言い聞かせても、いつのまにかパニック発作を考えているのです。
実際の出張でパニックに襲われたのかと言えば、襲われていないのです。
ただ、襲われるかもしれないという可能性、つまり予期不安に右往左往しているのです。
自分でも右往左往しても意味がないのはわかっているのです。
それでも開き直りができない。手汗、動悸を腹式呼吸でごまかしながら日々過ごすのです。
前回の出張でも、その前もパニック発作に襲われていないのだから、この次も大丈夫と言い聞かせても不安は一向に消えることなくまとわりつくのです。
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なぜこうも予期不安に取りつかれるの?
或る時、自分の潜在意識が何に怯えているか気づいたのです。
初診の時、精神科医が処方した薬について説明してくれた言葉です。
『強い薬じゃないし、一種の栄養剤みたいなものだから』が精神科医の説明の言葉でした。
医師はワタシに、重篤な症状ではないから安心しろと伝えようとしたのでしょう。
そりゃそうですよね。 医師から、病気の具合は深刻で、処方した薬も危険をともなう劇薬だ、などと言われたら患者はいっきに不安になりますからね。
薬を呑むのは1日、食後3回と決められていて、忠実に守っています。
滅多に発作は起きませんから薬は効いていると判断できるのですが、 効き目を特に実感した瞬間はないのです。
今でこそ処方されたものがわりと強い部類の精神安定剤だと知っていますが、 しばらくのあいだ栄養剤の一種で、漢方薬に近い薬であると信じていたのです。
精神安定剤が自分には有効にはたらいている思っていました。
でも、いざパニック発作に襲われてしまったら、こんな軽い薬じゃ焼け石に水なのだと潜在意識に刷り込まれてしまっていたのです。
予期不安に悩まされ続ける事20年近くが経過して、 ふっと自分の薬に対する思い込みに気づいたのでした。
自分が処方されている薬は安全だが、そんぶん弱い薬、と思い込んでいたのです。
内観法とマラソンである程度、精神のバランスが取れていたのでパニック発作で苦しむ事は滅多になかったのですが、海外出張が決まったあとの予期不安だけは拭い去ることができないのだと、医師に相談しました。
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素人考えであることは百も承知で、上記の精神安定剤に対する思い込みを打ち明けてみました。
もちろん、患者の気持ちを考えて「栄養剤のようなものである」と言われたのも理解しているとも話しました。
そして、使わないのを前提に、それまでの精神安定剤よりも強力な薬を数回分だけ処方してくれないかとお願いしてみたのです。
そのお願いは、あっさりと認められたのです。
頓服薬という意味で、少し強めの薬を処方して頂きました。 即効性があるとのことです。
医師はその頓服薬の有効性について時間をかけて詳しく説明してくださいました。
効き目が強いだけでなく、長時間持続するとの事でもありました。
「あなたみたいに、自分で薬について納得できないと効果が得づらいのもメンタル系の薬の特徴ですから。
気になる事があれば何でも質問してください。
患者はわがままにならないとダメなのです。
医者に好かれようと、医師の前で優等生になったらダメ。
薬が効かないなら効かないと言ってかまわないのです」
頓服薬を一度、不安感が強い時に試してみました。 確かに即効性があって、よく効きますが、効きすぎて眠くなってしまう。
はっきり言って効きすぎです。 この薬はお守りとして持ち歩くことにしています。
絶対に効く薬を持っているだけで、予期不安が抑制されます。
自分にとって頓服薬は強すぎる薬で、気軽に飲めるものではないのですが、最悪の事態に備えてく最終兵器として持参することにしています。
精神科医は言っていました、症状にあった薬を出すのが医者の役目なのだが、 お守りとしてならまあいいか、と。
最終兵器は不安の強さに対して丁度良い強さの薬ではなく、必要以上に強力な薬で、基本的に使わない薬の位置づけですよ。
是非、全幅の信頼の於ける薬を見つけてお守りにしてください。
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