サザエさんより年上に
一句
気がつけば サザエさんより 年上に
お茶のペットボトルの側面に印刷されていた俳句です。実に深いですよね。
時の流れを、一般家庭の日常生活から感じさせてくれる傑作で、癒されます。
カツオやワカメの目線から毎週日曜日の夕方『サザエさん』を観ていた。
それが、いつのまにか既婚・子持ちのサザエさんよりも自分のほうが年上になっていた。
平和で、癒しのフレーズとしては最高です。こんなふうに年を重ねたいものですね。癒されますね。
『サザエさん』という長寿番組の普遍性と、そのなかの登場人物に見守られて生きてきたような安心感があります。
一昔前、女性の適齢期をクリスマスケーキにたとえていたのをご記憶でしょうか?
早い話し、24歳を過ぎると値崩れを起こすとか、売り物にならないとか、そんなセクハラ的な冗談でした。
まだセクハラなんて言葉も一般的ではなかったかと。
それに比べると、同様に女性の年齢をネタにした「気がつけば サザエさんより 年上に」は、一枚も二枚も上手です。
ちなみに、サザエさんは24歳の設定で、関係ないですけどバカボンのパパは41歳の設定なのです。
マジか!
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穴があったら入りたい
「穴があったら入りたい」 なんだか小動物になった気分です。
「ああっ、やっちまった!しくじった!また怒られる」という局面。
周りをキョロキョロと見回し小ぶりの穴を発見。
すっぽり身体まるごと収まり、両手で耳をふさいでいる光景なのです。
コミカルで、思わずニヤリとしてしまう光景とフレーズ。
大好きですね、この「穴があったら入りたい」のフレーズ。
「穴があったら入りたい」の雰囲気を味わって癒されてください。
語源を調べてみると、中国の書物にありました。
かいつまんで言うとこんなです。
敵陣に攻め込まれそうになった領主が、実のついた麦を刈ってしまえと農民全員に命じる。
敵陣に麦を渡すまいとする作戦です。
それに反対したのが町長。
もし、そんな命令を出したら、農作業をしない怠け者に来年も敵陣が攻めてこないかなあと、なまけ心を植えつけるだけだと。
ああ、なんと恥ずかしい命令を下したのだろうと領主は反省し、穴があったら、そこに身を隠してしまいたいと思わせたといものらしいのです。
閉所恐怖症のワタシなんかはダメですが、狭いところが好きな人は、押入れとか勉強机の下とか、落ち着く空間なのでしょう。
最後の砦に立てこもる感じも醸しています。
窮地に追い込まれたとき、人間は狭いところに逃げ込む人と、広いところで行方をくらます人がいます。
広いところの方が絶対的に有利だと思うのですが、穴にこもろうとするのは独特の安心感からでしょう。
癒しの空間なのです。
オウム真理教の麻原もサティアンの中の狭い小部屋から、最後引きずり出されました。
イランのフセイン大統領もたしか、同じように狭い空間で息を殺していた。
忠臣蔵の吉良上野介も狭いところで身体を丸めていたような。
こう考えると、穴があったら入りたいは、物事に失敗した場合以外でも、案外こころ休まる空間なのかもしれません。
、
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酒は飲んでも飲まれるな
「酒は飲んでも、飲まれるな」
風刺が効いていて呑み助には耳の痛いところがあります。
飲めば飲むほど調子が上がるのが呑み助の真骨頂。
「酒は飲んでも、飲まれるな」なんて、ヤボテンのたわごと。
酔ってなんぼ、飲まれてなんぼ、なのです。
その一方で「酒に飲まれたい」にはせつなさが宿っています。
河島英五さんの『酒と泪と男と女』の、あの有名な歌詞。
「飲んで、飲んで、飲まれて、飲んで~」の部分。
飲まれているのを分かっていて、それでも飲まずにはいられない、あのせつなさ。
人間臭さを感じるには最高です。
これも癒しの効果最高です。
人生うまくいかない事もいっぱいありますね。
そんな時に、酒をかっくらいながら、山あり谷ありが人生なんだよな、という気持ちにあえてひたってみると、案外ネガティブ感情が浄化されるのです。
いろいろあるのが人生の醍醐味見ない境地に入れれば、この歌を堪能したことになるのでしようね。
時には、飲まれたいときもあると世の奥様方、お分かりください。
溶けて流れりゃみなおなじ
もっとずうっと古い“お座敷小唄”
「富士の高値に降る雪も京都先斗町に吹く雪も 雪にかわりはないじゃなし溶けて流れりゃ みなおなじ」
これ作詞不詳なのですね。
「溶けて流れりゃ みなおなじ」のところに癒されるのです。
実も蓋ないというか、表も裏もぐっちゃぐちゃみたいな感じに癒されるのです。
「細かい事をガタガタ言うなよ」とか
「世界は一家、人類はみな兄弟」とか
「100年後にはみんな死んでる」に通低する、もうどうでも良いじゃないですかみたいな安堵感。
イライラしているときに思い出して、自分を解放するんです。
サラリーマン時代に出世人もいるし、商売で成功した人もいるし、破産して一文無しになったひともいる。
でも、そんなこんなも、ちっぽけな事さ、って感じ。
細かい事、気になさんな!
とおじいちゃんにさとされた安心感があるのです。
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白黒はっきりさせたいのよ
それとは反対に、「そこまでしなくたって良いじゃないですか」といいたくなるほど白黒つけたがりがいます。
何が何でも、勝敗をつけたがる人。
どこかで聞いて、いまだに忘れない女性のセリフです。
「あなたとは結婚できないわ、でもプロポーズだけはして。きっぱり断っておきたいから」
この女性の心境とはいかなるものでしょうか?
よっぽど嫌な相手にねちっこく迫られていた。
ただ、ストーカーみたいな陰湿な感じじゃなく、見た目ハンサムだけど生理的に受け付けないタイプ。
もしくは、プロポーズコレクターで、人生において何人の男からプロポーズされたかをカウントしているとか、相手の写真まで貼って、ノートにまとめているとか、そんな雰囲気が漂いますね。
でも、名言であるようには思えるのです。
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