犯人はストーカー気質の人格障害者
「黒崎愛海さんは、ある約束をした。もし守らなければその報いを受けることになる。愛海さんは悪い事をしたのだ」
元恋人は仲むつまじかった頃の動画と、自分を正当化するかのコメントを合わせて公開してきた。
その裏には『俺の愛情を踏みにじって平気でいられる人でなし女。許してしまったらこの世の愛は全て亡びる。殺してしまわなければ純粋な愛を汚すことになるのだ』
衝動を抑えきれない激しい怒りが奴のコメントの裏側に隠されているように見て取れる。
諦めきれずに執拗に元恋人を追いかけるストーカー気質。
底なしの狂気を感じさせる自己中心な思考回路。
黒崎愛海さんがフランス・ブルゾンに渡ったのが昨年の9月ですから、チリ人男性・ニコラス・セペダ・コントレラスと恋人関係に至るまでに、たった3ヶ月間。
セペダが筑波大留学時代に愛海さんと知り合っていた可能性も無くはない。
前者、後者は日本の警察が筑波大留学に関する記録から、だいたいの予測はつくはずである。
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2016年12月4日。
元恋人どうしの二人がレストランへと食事に出かけている。
レストランでの二人の様子に関する情報はない。
その後、愛海さんの住む学生寮に二人は一緒に戻った姿がカメラでとらえられている。
その夜、女性の悲鳴が響いたとの証言がある。
翌日の5日からずっと愛海さんは学校を欠席している。
12月7日、セペダは列車でフランスを出国。
寮の非常口には大量の血痕が残されていた。
フランス捜査当局が事件を発表したのが、12月23日。
事件発表以前から捜査当局は捜査しているでしょうが、
このタイミングでの発表って有りでしょうか?
クリスマスイブ前日で、これからクリスマス休暇に入るから公開捜査に踏み切って情報を公に収集しようという作戦?
犯人は既にフランスを出国してしまっているから犯人探しは、ICPOを通じて国際手配すればいいや、そんな雰囲気だ。
ICPOへの協力依頼が12月26日。
非常口の多量の血痕については未だに鑑定中。
日本と比べて、報道情報の少なさは驚くばかりです。
愛海さんの部屋からスーツケースとパソコンが持ち出されたとの事ですが、部屋で争った形跡の有無については一切公表されていません。
愛海さんが住んでいた寮の学生全員が尋問のためにフランス警察に出頭していますが、尋問記録は一切公さ表されていません。
非常口の血痕から推測しなければならないのは、その血痕が生きた人間から流れ落ちたものなのか、死体から滴ったものなのか。
前者であれば傷口を押さえた血だらけの手の跡が、非常階段の壁などにも付着しているはず。
身体を動かす体力が残っていたのなら、血液が飛び散っていてもおかしくない。
そんな情報すら公開されないのです。
ブルゾンから少し離れた森にセペダが立ち入った形跡があるとのことで、犯行から1ヶ月も経過した今になって、森の捜査を開始するとの報道が届きました。
こんなの警察犬を使ってもっと早く捜査を開始していれば簡単に遺体は発見できるじゃないですかねえ。
フランス捜査当局は、ほとんど捜査に力入ってないですよ。
ペセダがチリの家族にかくまわれているにも関わらず、遺体が発見できないからと、身柄の確保すらできないありさま。
チリ警察が先に犯人逮捕をしてしまえば、引き渡してくれるかどうかも定かじゃない。
どうしょうもない走査状況とフランス警察の怠慢ぶり。
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1981年のカニバリズム事件
1981年、佐川一政がパリでオランダ人・女子留学生殺害し、人体の一部をフライパンで焼いて食べた事件がありました。
あの時のフランス側の対応も最悪でしたね。
バラバラ死体を鞄に詰めて、遺棄しようとしたところをフランス人一般市民にみつかり佐川一政は逮捕された。
心身喪失でフランスの精神病院に入院、その後、日本に強制送還された。
佐川一政には、小学校4年生あたりから人肉を食べたいという衝動があったという。パリ事件で、実際に死体をバラバラに切断し、その一部をフライパンで焼いて食べた。
日本への強制送還のあと、都立松沢病院(精神病院)に1年間入院し、日本の精神科医は佐川に責任能力有りと判断したのですよ。
フランスでの入院期間の佐川の病状資料を日本がフランスの精神病院に求めたものの、資料の引渡しを拒否された。
結果、日本側の鑑定だけで犯行当時の佐川の精神状態を判断できないとして、犯行時は精神疾患だと判断され、ほどなく釈放されたのです。
まずまちがいなく、フランスでまともな精神鑑定やってないですよ。
適当な検査資料を提出するのが嫌だから、佐川の逮捕後の病状資料を日本に提出できなかったと見るのが正解です。
愛海さんの死体が発見され、セペダがチリ国内で逮捕されたとしても、奴の身柄なんて引き渡してもらわなくて結構、というのがフランスの本音でしょう。
フランス人が殺されたわけでもなく、犯人がフランス人でもないのだから、厄介ごとに巻き込まれたくないとフランスは考える。
この事件、後味の悪い結果が待っていそうなのです。
フランスには境界性人格障害の概念がない
因みに、ストーカー気質と境界性人格障害は低通するものがあります。
すぐに、他人の内側に遠慮なく入っていこうとそるタイプで、一見、愛情豊な人に勘違いされるのですが、相手から拒絶された瞬間に人格が変貌する。
これだけ、あたしが愛情を注いでいるのに、その態度はなんなの!みたいなタイプです。
この怒りがどんどん増殖していってストーカー行為に走るのです。
まさにペセダがこのタイプの人間。
ただ、フランスには境界性人格障害という概念が無いんです。
不思議なのですが、芸術的感性を優先させるがゆえ、少しくらい人格に偏りがあっても、気にしないというスタンスらしいのです。
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