女房に言われたのを突然思い出しました。
「アンタさあ、3ヶ月間も出張するのに荷物はたったのこれだけなの?」と。
アメリカに仕事で3ヶ月ほど出張しなければならない用事があって、その荷物をまとめた時の事です。
小さめの機内持ち込み可のスーツケースがスカスカの状態です。
元来、女の人は荷物が多いでしょ。
だから女房からすれば、オレの荷物が余りにも少ないのが心配らしいのです。
ここでは準備する人と、しない人の違いについて考えてみます。
シャルルドゴール空港の第四ターミナルってどうやっていくの
友人の家に夫婦で遊びに行った時の事です。
その家の旦那さんが仕事でヨーロッパに出張するとかで、いろいろと準備をしていました。
その旦那さんが言うには、同僚は別件が有り2日ほど帰国が遅れる。
従って帰りはスペイン・ビルバオから一人になるとの事。
彼の悩みはビルバオからフランスのシャルルドゴール空港に戻り、そこで成田行きのANAに乗り換える。
ただ、問題は到着するのが第一ターミナルで、成田行きが飛び立つのが第四ターミナルらしいのです。
日本の空港とちがって、シャルルドゴール空港はターミナルどうしが離れていて、空港内の無料バスで移動します。
そのバスの乗り場が少し分かりづらいんです。
「第一ターミナルから第四ターミナルへの移動バスって、どこから乗るの?」
「いや、ちょっとまってよ。せっかくパリで乗り換えるのだったら、パリに一泊して観光してから帰国したほうがいいんじゃないかなあ?」と、うちの女房が言います。
「そうだよ、パリでただ乗り換えるだけじゃもったいない。一日観光してきなよ」と、そのうちの奥さんも同意見です。
「それだったら、帰りは地下鉄で第四ターミナルまで行けるから空港内のバスは必要ないな」とオレ。
「地下鉄ってどこから乗るの?切符も買うんだろ?日本のPASMOは使えないよね」
「PASMOもSuicaも使えないよ、フランスなんだから」
「それじゃどこから地下鉄に乗って切符はどう買えばいいのさ?」
「アンタさあ、行ったことあるでしょ。教えてあげなよ」とうちの女房。
「大丈夫だよ、行けば分かるから、全然問題ないから」とオレ。
「行けば分かるって言ったってさあ、こっちはフランス語わからないんだから心配じゃん」と旦那さん。
「うちの亭主は、こういう人だから」と女房が言ったのです。
準備をしない人とは
「この人さあ、3ヶ月も出張するっていうのに荷物は小型のスーツケースに半分くらい。そういう人なのよ」と女房は言うわけです。
そうです、オレは何事も準備を怠るタイプなのです。
空港での乗り換えも、地下鉄の乗り方も、たいていは実際にその場に行け分かるようになっているでしょ。
初めて一人ぼっちで行く人にとっては不安かもしれない。
でも、どうにかなるものなのです。
それを遠く離れた日本で、あれこれ考えても仕方がないんです。
意味はないけど準備で気持ちが落ち着く
ただ、意味のない準備だとしても、そうする事で気持ちが落ち着いて安心できるって事は確かにあるのです。
明日、勤め先の昇進試験があり時事問題について5名で討論する。
でも、時事問題ということは分かっていても、具体的に何のテーマかはその場に行ってみないとわからないのです。
事前に問題に精通するための準備はできない。
だとすると、事前には何もできないでしょ。
でも、やる人はいるのです。
仮に、〇〇〇がテーマだった場合はどういうふうに討論するかをシミュレーションしてみるのです。
時事問題だから、解決するには幾つかの対策があって、相反する対策のどっちが有効かという議論になる。
それぞれが、その対策のメリット、デメリットを挙げてメリットの多い方を自分の意見とするわけです。
議論の大まかな進め方は分かるけれど、実際のテーマがわからなければ事前に検討のしようがないじゃないか、と思うわけです。
でも、その解釈が違っているわけです。
テーマが分からないのは百も承知で、それでも一回でもシミュレーション的な練習をすることで気持ちが落ち着いて、安心して本番が迎えられるという事のようです。
不安な気持ちで当日を迎えるのなら、ただの気休めでしかないかもしれないけど、リハーサルする意味は大いにあるわけです。
初めてと二回目の違い
何をするにしても、初めてと二回目って全然インパクトが違うでしょ。
人によって違いがありますけど、たいていの人にとっては2回目と3回目の違いよりも、大きいんです。
未知数が全然ちがいますから。
だとすると、リハーサルの意味って凄く大きいですね。
「本番前にとりあえず一回練習しておこう」程度にしか考えていないかもしれません。
だから、リハーサルの効果を100%得る事が出来ないわけです。
未知数を減らして、安心感とリラックスを得るという意味で脳科学的にとても深い意味があるわけです。
未知数がもたらす刺激
一方で初めてだからこそ面白いという心理も捨てがたいですね。
危険極まりな状況だとすれば、話は別です。
でも、危険はほとんどなく未知数を脳が楽しんでいるという事もありますね。
敢えて無計画な旅にでるとか、普通日本にいたら味わえないような食べ物を食べるとか、そういう興奮です。
ただ、無計画な旅で危険な目に遭った人は、それ以降は無謀な旅は避けるでしょうし、変な物を食べて食虫毒にあったひとは、普通のたべものを好むようになる。
それは脳が同じミスを避けるために発動するメンタルてきな指令なのでしょう。
ただ、準備で安心を得られ、それがその人にとって効果的であれば価値のある準備なわけです。
たとえ、本番と異なっていたとしても、大いに活用すべきなのです。
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