ずいぶん前の話しです。
20年近く前の、オレがまだパニック障害の予期不安にビビリまくっていた頃。
会社から海外出張の業務命令を言い渡されるのが嫌でたまりませんでした。
はっきりいって怖かったのです。
その時の上司や回りの同僚には、一切言ってなかったし、パニック障害になったのは知っていたとしても、とっくに完治していると思われていたから。
だから海外出張の業務命令には従わざるを得なかったんです。
ここでは、2週間後に控えた海外出張を引き受けてからの心の反応についてご説明させていただきます。
海外出張なんて嫌だ
海外出張の業務命令が言い渡された後の一日、二日はやっぱり落ち込んでいました。
嫌だ、嫌だ、嫌だ、、、。
行った先で発作が出たらどうするの、えっ誰か助けてくれろの?
会社が火事で燃えてしまわないかなあ?
不当たり出して倒産しないかなあ?
オレが脚を骨折したら、さすがに人選考えるよな、とか。
こんな感じでした。
とにかく飛行機に何時間ものって、遠方に出かけて行くのが怖かったのです。
心の化学反応が起きる
心の中は、何か理由をこじつけて出張が取り消される事ばっかりが頭の中をグルグル回っていました。
これが、時間と共に少しずつ気分に変化が、出てきたのです。
まるで、心の化学反応みたいに、、、。
じわりじわりと、出張イヤイヤモードから、なにをしたら予期不安を紛らわすことができるか、の方向へ思考が動いていったのです。
海外出張というインプットがある日突然下って、二日間の拒否反応の後、心が化学反応を起こし始めたった感じなのです。
客観的に判断しようとしている
嫌なものは嫌!
大人でも、子供でも好き嫌いはありますね。
やりたい、やりたくない、も同じような感覚です。
でも、客観的に事態を見たときに、仕事として海外出張は必要なのだと潜在意識が判断しなのです。
飛行機に乗って取り引き先を訪ねて、じっくり相手の思いに、耳を傾ける必要がある、と。
潜在意識は課題達成を妨害するものを排除にかかる
海外出張を阻害しようとするのは自分自身の気持ちです。
パニック状態に陥りたくない、という予期不安です。
パニック障害の患者にとっては、飛行機の長時間フライトという恐怖が気持ちを後ろ向きにしているわけです。
それと、家に帰りたくてもすぐには帰れない海外という距離感。
行きと同じように長時間フライトが必須であることです。
こういう不安をかかえていると、のんびりできないんです。
ゆったりすると、すぐに不安感が揺さぶりをかけてくるの。
だから何もしないでリラックスしながらコーヒーとか飲むなんてできないんです。
自転車操業みたいに、常に身体を動かしながら視野狭窄気味にしていないと不安感が襲ってくるんです。
ベースにあるもの
決して、仕事そのものが嫌なわけではないのです。
むしろ、仕事そのものにはしっかり対応して、問題を解決したいのです。
その方が気持ちもスッキリするし、いつまでも問題を放置したくはないのです。
ただ、飛行機に乗りたくないという大きな障害があるわけです。
ところが、一度、行かなければならないと決まってしまうと気持ちに少しずつ変化が表れてくるのです。
不思議なのですが、あるタイミグで「よし、いっちょ行って片付けてくるか!」という威勢のいい気持ちが出るんです。
飛行機だって、睡眠薬で眠ってしまえば問題ないじゃないか。
現地での生活だってきちんと節制して安定剤を飲んでいれば問題ないはず。
それでもダメなら、現地の医者に掛かれば問題ない。
そもそも、精神安定剤なんてアメリカ人とかヨーロッパの先進国から入ってきたものなのだから。
こんなふうに気持ちに変化がでるのを、心の科学反応って自分では呼んでいるんです。
なぜ、こんな化学反応が起きるのかを自分なりにじっくりと考えたことがあるのです。
もともと海外の国々を自分の目で見たい。
異文化に接してみたい。
他国の地を自分の脚で歩きたい、現地の食べ物を食したい。
そんな気持ちがあって商社に就職したのです。
この気持ちが、不思議とじわりじわりと出てくるのです。
外国に行かなければならない、と決まった観念したときに昔から抱いていた楽しみが湧き上がってくるのです。
人の心って不思議ですよね。
あんなに生きたかった外国の国々が、パニック障害で全て恐怖の対象となってしまいました。
でも、仕事だからと強制的に行かなければならない局面にたたされたとき、再び楽しみとして舞い戻ってくるのですから。
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