「この先、絶対に立ち入り禁止」と看板に書かれているのと、
「この先、古い沼あり。立ち入り禁止」と書かれているのと、どっちに惹かれますか?
後者でしょ。
なぜ??
得体の知れない雰囲気がたまらないんです。
ここでは得体の知れない物に惹かれる人間心理について解説させて頂きます。
得体の知れなさなら湖より沼が上
湖よりも沼の方が得体の知れなさが強いでしょ。
ドロッととろみのある濁った水質。
心なしか鼻を突く悪臭。
沼の底には何が沈殿しているのだろう?
思わず後ずさりしてしまう得体の知れなさがあるけれど、妄想も止まらないんです。
きっと殺人事件があったに違いない。
犯人はこの沼に被害者が捨てたと証言するも、一体の死体もみつからない。
連続殺人で10体以上も捨てたのに、、、。
もしや、死体を引き上げて収集している者が沼の裏側にひっそりと住んでいいるのでは。
無限大過ぎるとかえって怖くない
範囲が広過ぎて分からな過ぎても怖くないですね。
「人生、山あり谷あり」みたいだと心が、引っかからないんです。
そんなの心配したって意味ないじゃん、って事になる。
だから敢えて『首都圏直下型地震が30年以内に80%以上の確立で起きる可能性』とか『南海トラフが今危ない』とか見出しに付けるでしょ。
報道する事件が無い時のために、いつでも乗せられるように記事にしておいてあるんです。
対象物が具体的でないとイメージが湧かないからダメ。
とにかく誰もがピンとくる題材であることが前提条件です。でも分からない部分が多いの。
で、どことなく普通と違う雰囲気が漂っている。
こんな状態だと想像力が刺激されるんです。
いつも毛糸の帽子を深々とかぶって、、、
人物は特定できているんです。
どこの誰かはわかっているの。
でも決して目を合わせないし、言葉も発しない。
夏なのに毛糸の帽子を深々とかぶっているとなると、妙に好奇心をくすぐられますね。
いったい何物?って。
300人乗船できる客船なのに自分の家族4人しか乗っていない。
スタッフの数の方が多い。
朝食のビュッフェは300人分はゆうに準備されている。
なぜ?
途中で寄港する予定はないはず。
船底に誰かが監禁されているんじゃないか、自分たち家族の身も危険なんじゃないか、と。
得体の知れない物の魅力とは
自分の想像の範囲内にあることで面白さが倍増するんです。
面白さ倍増とは興味をそそられる事であり、好奇心を指摘される事ですね。
どんなに真新しい事でも、自力とかけ離れた難題だと大して心は反応しないんです。
宇宙のどこかで、みたいな遠い所での出来事だと手応えがイマイチだから魅かれないんです。
単なるニュースとしか思えないんです。
身近で、他人事でないのが魅力的である条件なんですね。
たまたま目にした看板に書かれた『沼への立ち入り禁止』とか近所に住む『毛糸の帽子の人』とか家族旅行で『乗船した客船内でのミステリアスな雰囲気』ですね。
我が身に迫る恐怖
なぜ身近でありながら得体の知れない物に魅かれてしまうのか?
気になってしかたがない心の状態に陥るのか?
その理由は、人の心は現状維持が好きだからなんです。
今の平和で穏やかな現実を変えたくない。余計な刺激なんて要らない。
これはごくごく当たり前ですね。
でも、少々不満があって、気に入らない事があって、毎日勤め先の同僚に愚痴っているにも関わらず、それらを抜本的に改善しようとはしないんです。
もしかしたら、今よりも事態が悪化するかもしれないという不安と、今のままでも生きていけると言う不幸慣れが前面にでてくるんです。
だから私生活をかき回しかねない身近な異変や、得体の知れないものに関心を持たざるを得ないのです。
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