大嫌いな奴だからひと思いに殺したのでは気持ちが収まらない。
大切なものを取り上げて、痛みを味わせて、虐め抜いてやりたい。
人生をめちゃめちゃにして、苦しむだけ苦しんでからこの世からお引き取り頂きたい。
こんな残酷な気持ちが働いていたかもしれない。
強い順番から並べると : いじめ(虐待)>体罰>躾 の順
厳しく躾けるつもりが行き過ぎてしまった。“犯行に殺意はなかった”と弁解する卑怯な父親が浮かんでくる。
不謹慎とは思いつつ、植松聖の犯行動機の方がよっぽど潔ぎ良いように感じるのです。もちろん許せる事ではないけれど。
ここでは虐待と体罰と躾について、そこに宿る人間心理について考えてみます。
体罰や虐待は躾の延長線上にあるのか
“昨今のニュースをみていて、子供の躾けって、こんなにも難しいものなのかと考えさせられる”というと聞こえはいいけど、幼児虐待の言い訳として”躾“をもちだすんじゃねーよ、って感じですね。
人間って、弱い立場の者がせいいっぱい虚勢を張っているのを見たとき、“この人はこの人なりに頑張っているんだなあ”って微笑ましく感じる人と、“何を生意気な!”って憤りを感じる人がいる。
子供が生意気な口答えをしたり、大人の言うことを聞かなかつたときにも、だいたい同じような反応をするの。
ニャリを笑って“こいつ思いっきり背伸びしているな”と感じるタイプと、“ガキのくせして、大人をなめるんじぇんーよ”って感じるタイプ。
前者は子供のそんな様子を見て、どう躾けたらいいかを考える。
ましてや我が子だったら、子供の胸中をも考える。
学校で何か嫌なことでもあったのだろうか、虐めに合っているんじぁないか、勉強についていかれないか、、、。
そのうえで、どういう声をかけてあげるのが一番いいのかを考える。それが躾けってものなの。
子供なりにストレスを感じて、それを吐き出すかのように言葉使いが悪かったり、親の言うことを無視したりするわけなんです。それが子供の心の中の叫びなの。
それとはまた別で、友達とケンカして殴って怪我をさせたとするでしょ。そうしたら、我が子にも同じくらいの痛みを感じさせなきやいけない。
殴られたらどれだけ痛いのかを分からせるのは親の義務だし、それが躾けってもの。
そういう区別が出来ていない親が問題を起こすんです。
非行に走る子供はストレスを抱えているものだ
ストレスを抱えた子供は、その解決方法として非行に走るんです。
溜まったストレスを親、教師、友達とコミュニケーションを取りながら解決を図れる子供は健全だし、とてもラッキーなんです。勉強や思春期ならではのストレスを頭で理解して、対応していく。
でも、これができない子供はストレスを吐き出すかのようにスポーツに打ち込んだり、身体を鍛える。この作戦だって悪い方じゃないですよね。
でも、非行に走りクラスメイトを虐めたり、動物を虐待してストレスを帳消しにする方向へとのめり込む子供がいるでしょ。
かれらの特徴は家庭環境が劣悪だから、親への相談はたいてい無理なんです。
そんな環境でも芯がしっかりしていてブレないタイプもいるけど、たいていは自分の環境に失望していて、どうせい自分なんかろくな人生を歩むわけがないって内心思っているんです。
家庭環境が悪くて、親に相談できない子供って、やっぱり世の中を斜めに見ているから、学校の教師も上手く子供の心を開かせることができないの。
素行が乱れてきて、付き合う友達にも変化がみられる。
ワルが集まる中に身を置くようになってくるんです。
普通の仲間内では底辺の存在だったのが、非行仲間だと教師への口の利き方や、授業態度で一目置かれるようになったりする。絶妙にハッタリがうまかったりするんです。
今までと全然違う価値観があって、こんな世界もあるのかと自分の居場所を見出したりするんです。
ここが虐めの発信源。彼が虐めの主犯格になるのです。
その発信源のもとになっているのが、彼が抱えたストレスという構造なんです。
ストレスと劣等感の帳尻合わせで非行に走ったわけです。
彼らを躾で叩き直す手段があるのか?それは誰の仕事なのか?
じっくりと粘り強く、こんがらがった意図をほどいていけば、痛みを伴うかもしれないけれど、躾の範囲内に解決策はあるのです。
躾が通用しない子供には、故意にさじ加減を間違える
2014年、長崎県佐世保で、同級生の女の子を自分のマンションに招いてハンマーで殴り、犬のリード線で殺害し、腹部を切り裂いたり、首や手首を切断した“徳勝もなみ”っていう女子高生いたでしょ。
その事件の前、友達の給食に毒を入れたり、動物を解体したりしていた。
彼女は非行に走るわけでもなく、成績はトップクラスで頭は良かったの。
でも、生まれつき狂っていたわけ。サイコパスだったんです。
だから、どんなに厳しく躾をしたってどうにもならない。更生なんて出来っこないんです。
“人を殺して、解剖してみたかった“っていう欲求は消えない。
腹が減ったらメシが食いたくなるのと同じレベルで、人体解剖がしてみたいっていう欲求を抱くわけだから、それをどうやったら消せるかという難題が立ちはだかるの。
徳勝もなみは医療系の少年院に入れられて、まだ出てきていないはず。26歳までの入院期限ギリギリまで居続けて2024年に出院でしょうね。
ハンマーで殴って、犬のリード線で首を絞めて、どれだけ苦しいのかを味あわせるなんてナンセンスでしょ。
喧嘩で殴られたらどれぐらい痛いかを身をもって体験させて、人の痛みを理解させるなんて100%通用しない相手だから。
殺された子の親、兄弟がどんなに悲しい思いをしたか、自分の親が世間からどんなふうに批判されるかなんて全然考えない。ただ人を殺して解剖してみたかった、だけで犯行に及ぶような神経の人間に躾なんて通用するわけがない。
だから、躾のつもりで少し強めにやったら死んじゃった、でいいんです。
それがダメなら、年齢とともに性欲が減退するみたいに、解剖願望みたいのが萎んでくるのを待つか、強力な鎮静剤を使ってそんな欲求が起き得ないように抑え込んでしまうかしかないのでしょう。
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