勝負の世界では力の差が歴然としてることもある。
絶対王者にダメ元の挑戦者が食らいつこうとするような試合です。
ロッキーばアポロに挑戦した初戦のようなケース。
スポーツ以外でも、与党対野党、強面の部長につっかかる若手社員。
プロ棋士VS町の名人クラス、、等々。
初めから勝負はついているという大方の予想とは裏腹に、挑戦者側にも作戦があるんです。
ここでは格上に挑むとき、いかに勝機を見出すかについて解説してゆきます。
一進一退に持ち込んで一瞬の隙を突く
絶対王者には大きく分けて二つの作戦がある。
- 勢いで一気呵成にたたみ掛ける
- 余裕をもって用心深く、じわりじわりと攻めてゆく
前者は、いきなり本気モードです。気を抜けば秒殺されかねない圧力でのしかかってくる。
絶対王者の猛攻をしのいでかいくぐって生き続ける。
そして、攻撃の手が少し緩んできたと判断できたところで、こっちから仕掛けてみる。
王者の攻め疲れに乗じて、一進一退の攻防に持ち込めれば勝機は出てくるんです。
後者の余裕と用心深さにみちた王者はやりづらいですね。こっちの隙を虎視眈々とみているんです。
それでも勝負には制限時間があって(ごく稀に無制限一本勝負みたいのがありますが)、王者のプライドが制限時間で微妙に揺れ動くものなの。
あれだけの実力差があるにもかかわらず、仕留められないのか、というプレッシャーです。
スポーツ以外だって絶対王者の弱点は突き抜けた強さを見せねばならぬ事
伝説のカリスマ教師だから、どんな質問にも的確に答えられなければならないんです。
いとも簡単に答えを示せてこそ、カリスマ性が浮かび上がってくるの。
ロジックに矛盾やほつれがあってはならない。
どんな難問であったとしても、人を魅了するほど優雅に、軽やかに答えなければならないんです。
そこが弱点なんです。
オマエなんか足元にも及ばない、と力の差をまざまざと見せつけるのをみんなが期待しているんです。
一進一退になったとき焦りがでるのは格上の方
絶対王者も伝説のかリスカ教師の、もたもたしているわけにはいかないんです。
「挑戦者も、なかなかやるじゃないか」とか「鋭い質問にさすがのカリスマ教師もだじたじ」なんて思われるわけにはいかないの。
格下相手に、“どっこいどっこい”や“ため”を演じる事自体が恥なんです。
だから、一進一退に持ち込めたとき相手には間違いなく焦りがでる。
序盤、余裕をもってこちらの隙を探っていた相手も、時間切れによる“判定決着”が脳裏をよぎり始めるにつれて、攻めが荒々しく強引になっていくものなんです。
この下っ端野郎を今すぐにでもこの場で始末して勝ち名乗りをあげなければ、オレの名誉が汚されると感じはじめるのです。
本来、実力の差があるのだから格上側にAIロボットのような冷静沈着な判断力があれば最後の1秒まで試合時間を有効に使う事ができる。
たとえドローになったとしても、KO決着を避けて、リスクだけを回避する試合展開をしたのは格下側だった。
挑戦者なら挑戦者らしく、一か八かの勝負に出てこなかったのは、そもそも自分の負けを最初から認めているからなんだ、と言えるくらいなら焦りになど惑わされることはないのです。
エリートは追い込まれると弱いんだ
文武両道という気高い言葉がある。
高校サッカーをテレビで観ていると、Jリーグでも通用するような選手が、高校卒業後には有名難関大学の入学を目指して受験をする、などの選手紹介がされることがある。
まさしく文武両道で、サッカーを極めつつ一方で勉学にも長けているというわけ。
が、こういう人を世間はエリートと呼ぶんですね。
でも、勝負はそのエリートがどれだけプレッシャーに強いかなんです。
スポーツでも、勉学でも集団の頂点あたりに属していて、常に組織を切り盛りする役割です。
そんなタイプの人が、本当は追い込まれたときどんなふうに対処できるかなのです。
格下の特性を100%生かした作戦に引きずり込まれたとき、焦らずに対処できるか。
本来なら楽勝な相手と一進一退の膠着状態になったとき、名誉を守ろうと、無謀な戦略にでて返り討ちに合わずに済むか。
それが下から突き上げる唯一の作戦なのだと見抜けるかどうかが勝負の分かれ目なんです。
【広告】
関連記事
【広告】