会社では毎年、新年度になると新たな課題・目標の策定が義務付けられるんです。
個人ごとの課題・目標もあれば部署全体でも数値的な目標もある。そのとき頻繁に持ち出されるのが、業務マニュアルの作成。
仕事は日々変化し続けているから年に一度の目標作りにで、毎年のように“業務マニュアルの作成・改訂”がでてきてもおかしくはないんです。
でも、これって仕事が分かっていない上司を手助けしているようなものなの。もっと言えば、社員自身が自分の首を絞めているのと一緒なんですよ。
ここでは業務マニュアルを作成させる上司の心情と、それによって自らの首を絞める理不尽さについて解説してみようと思います。
業務マニュアルの作成の裏の目的とは
仕事って優秀な社員のもとに集まってくるでしょ。ミスをしない、作業が早い、任せて安心な部下にみんな頼みたくなるの。
会社側はこういうデキる社員の数を増やしたいわけです。そこで下される業務命令が、マニュアルの作成なんです。
デキる社員に仕事のノウハウを吐き出させようという魂胆。
もちろん表向きは、そんな言い方はしません。
忙しすぎる人をみんなでサポートする”働き方改革“みないなトーンで言い出すわけです。マニュアルを作っておいて、いざというときにみんなが協力し合えるような環境にしておこう、と耳に優しい言い方をするわけです。
仕事の資料を作らせる上司って分かってない奴が多い
「いまキミが取り組んでいるプロジェクトをパワポでまとめてくれないかなあ」
こんなふうに唐突に言い出す上司っているでしょ。何か頼む時だけ優しい目になるキモイオヤジね。
言われた方は、“また来たぜ”って思う。
状況をまとめろとか、プレゼン資料を作ってくれとか言ってくる上司はたいてい仕事そのものが分かっていないんです。
業務の詳細はともかくとして、大枠をつかんでいる上司は自分で大方作ってしまい、マイナー修正とか細かい部分の表見を部下に確認してくるの。
切れる上司は自分でできるところはサクサクやっつけちゃう。資料を作成させる目的が頭にはいっているから、どういう部分に重点を置くかを考えて独自で進めちゃうんです。
会社のトップ層への説明用なのか、別の顧客へのPR用なのか、部内の教育用なのかで作るものが全然ちがってくるでしょ。
それなのに部下に丸投げしてくるってことは資料の意味すら分かっていない証拠。知識がないから的確な指示が出せないの。
部下が質問しても、なんだかんだといいながら話をはぐらかす。
最後にはビジネスモデルとして使いたいから、できるだけ詳しくて丁寧なものが欲しいと言ってくるの。
仕方ないから、具体的な数値を入れこんで、読み応えのあるものに仕上げるわけです。でも、当の本人は読んでも理解に及ばないから、今度はひと目でわかるサマリーを作れって言ってくるの。
こういう上司に一番必要なのは、1ケ月でも2ケ月でも実務に飛び込んで汗をかくことなんです。そうすれば実務もわかるようになるし、改善点も見えてくるかもしれない。
ここで初めて管理職としての仕事のスタートラインに立てるわけ。
でも、苦労するのが嫌なのか、プライドが許さないのか、部下に教えを乞うことができる人は本当に少ないですね。
だからいつまでたって役立たずの上司のまま。
絵に描いた餅みたいな存在なんです。
自分の首を絞めるのは、ノウハウを盗みだそうとする上司
自分が試行錯誤して培ったノウハウを、安々と公開する義務なんてないでしょ。自分しかわからない部分があってこそ、自分の価値を上司、会社に知らしめられる部分ってあると思うんです。
部下に苦労だけさせておいて美味しい分をさらっていこうとする根性が気にくわないわけです。
仕事を効率的に回せば自分が楽になる、と思って色々な方法を試して、ベストがこのやり方と行き着いたのだから、それは立派なノウハウです。
回りに触れ回って共有する必用なんてないの。
それくらい自分を守らないと、口先だけの狡い奴にみんな持って行かれちゃう。
ノウハウを明かしたら、もうキミはお払い箱だよ、みたいに自分の首を絞める可能性だってあるんですから。
自分の身の周りを見てください。
60歳定年退職から65歳に引き上げられて、ただ出社してくるだけのやる気も責任もないオジさんが増えてきているでしょ。
彼らをどういうふうに貢献させるかが、会社生き残りをかけたカギになりつつあるんです。60歳以上の社員を使う為のプロジェクトの歯車がギシギシ低速回転しはじめているんです。
そこに利用されて、君はまた試行錯誤してノウハウを築き上げてね、と苦労係りに追いやられてしまうんですよ。
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