積み上げてきた人生を大切にしょうよ|奇をてらう斬新な意見は耳に優しく解放感があるけど

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ついこの前、高校の時の同級生と飲む機会があったの。そいつもオレと同じように人の心の在り方に興味を持っている。

本職が精神科医だから当然のように思えるでしょ。でもちょっと違うんです。

 

精神科医は心の病気を治すのが仕事だけど、手段としては脳内の機能不全を治す専門家で、心の病とはいうものの意外にドライなところがあるんです。

 

患者さんの前ではさすがに口には出さないけど、人格障害がこじれたような人が受診してきたときは「こんなの治るわけねーよ」って思うらしい。

人格障害って生まれつきだから完治しない。それをどうやって抑え込むかが勝負なんだって。でも、患者さんは治してほしいって思っている。

 

ここでは、心理学的アプローチで“その解釈、危険だよ!”っていう物について解説を試みたいと思います。

 積み上げてきた人生を大切にするために心の問題をドライに脳機能としてアプローチする精神科医

 

 

精神科医が薬物治療で脳の機能不全を治しても、メンタル的に病気を引きずりつつけてしまうケースがあると言います。

脳機能としては正常にもどっている。でもまだ患者本人は不安で仕方ない。

こういうときに注意しなければいけないのが、奇をてらう斬新な意見です。耳に優しい解放感があるアドバイス。

本物のカウンセラーの意見には斬新性なんてないんです。心の問題は、じっくりと時間をかけて少しずつ気持ちをほぐすの。

精神科医は基本、カウンセリングはしないんです。

言葉使いに気を配って、穏やかな表情で患者には接しますけど、患者の心理的な機微は専門ではないんです。

 

以前、パニック障害と予期不安について記事を書かせて頂きました。

精神科医は、薬物治療でパニック発作を引き起こす脳内物質の分泌異常はしっかり整えた。だから完治と考えて問題ないとジャッジします。

でも、患者は再びパニック発作に襲われるかもしれないという不安と恐怖にさらされている。

 

どんな病気でも、一度治っても再びかかる事はあるでしょ。風邪ひいて1週間で完治しても、また数年内には風邪は引くものですね。

パニック障害だって、それと同じで強いストレスがかかれば、またいつか発作に襲われるかもしれない。でも今の時点では脳機能は正常にもどった、ということなんです。

 

精神科医と臨床心理士(心理学の専門家)のアプローチは違っても、患者さんが積み上げてきた人生を大切にする

 

 

上記した、いつまたパニック発作に見舞われるかという不安と恐怖のことを予期不安と言います。患者さんの性格にも依りますけど、この予期不安にしつこくまとわりつかれる人って多いの。

 

この予期不安へのアプローチ方法が精神科医と臨床心理士とでは違っているんです。

精神科医は不安があるから精神安定剤を処方するんです。副作用の少ない安全性の高い薬が今はたくさん出ていますからね。

 

一方、臨床心理士は処方箋はだせません。医者じゃないから薬は出せないんです。でもカウンセリングのプロだから、患者さんの話を聞き、不安を軽減するようにコミュニケーションを繰り返すの。

 

もともとの病気が治ったのだから、その後は心構えの問題になってくる。ストレスを抱えないようにすれば、再発はしないのですからね。

 

価値観を捨てろとは、斬新で解放感があるけど

 

精神科医をやっている高校時代の同級生が心理学にはまったのは、パニック障害を治療したあとに残る予期不安対策でした。

 

彼は日頃から心理学関係の情報に目を通していて、使える部分は患者さんとのやり取りに取り入れるの。

 

ある時、うつ病の患者さんに治療中の容態を聞いているときの話です。

患者さんはうつ病がだいぶ回復してきて、生活面での注意事項についてのやり取りをしている時の事です(仕事が原因で、うつ病を発症したので職場の話はまだ避けているらしい)。

 

何かのアドバイスで、今までの自分の価値観を捨て去ってしまえと言われたらしいんです。「価値観を捨てるためには、どうしたらいいのか?」が患者さんからの質問だったの。

 

で、友人の精神科医は素人のオレに「どう思う?」って聞いてきたんです。

 

オレ的には、今まで積み上げてきた価値観を捨てるのは間違いだと思うんです。たとえ、その価値観が原因でうつ病を発症してしまったとしても。

 

価値観って、その人の人生観でしょ。今まで悩んだり、傷ついたり、喧嘩したり、いろいろな事を通して積み上げた物。

これは間違えていたと思って修正し、これは自分の物にしなきゃもったいない、と思って付け加えて、少しずつ少しすぐ作り上げてきたんです。ウナギのタレみたいに、継ぎ足し継ぎ足しで今のかたちになっている。

 

それを捨てろ、アドバイスすること事態どうかしているの。

“オレの価値観は、捨てろと言われて捨てられるような薄っぺらなものじゃない”というのが答え。すなわち価値観は見直し見直しで完成形に近づいていくという事なんです。

 

斬新さで魅了する無責任な解放感

 

セオリーにそったカウンセリングで患者さんを元気づける臨床心理士がいらっしゃる一方で、自称カウンセラーみたいな人が無責任はアドバイスをするんです。

前述の、“価値観を捨てろ“もそのひとつ。

 

人は今までなかった斬新なものを求めたがります。昔からある地味なアドバイスよりも、真新しい新鮮味のあるもの。

それを知っていて、奇をてらう斬新さを打ち出してくる。「自分の好きなように生きればいい」とか解放感たっぷりの無責任なアドバイスを。

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