学生七不思議の一つ「学園祭、修学旅行になるとやたらカップルが誕生する」があるんです。この現象には科学的な根拠があって、人間心理と密接に関係しているんですよ。
とはいえ、誕生したカップルの大半はその後、3ヶ月も経たないうちに自然消滅していく“なんちゃってカップル”なの。
結果だけ見ると虚しく思えるでしょ。でも、これはこれでいいんです。ほんの少しだけど異性を知るきっかけになるし、その後の恋愛に役にたつんです。
青春の1ページとしても悪くないでしょ
ここでは学園祭・修学旅行で、なぜ“なんちゃってカップル”が誕生するのか?そして、そのなんちゃってカップルが持つ重大な意味について解説します。
学園祭、修学旅行の限られた時間が気分を浮つかせ、テンションをあげる
学園祭とか修学旅行って3日間くらいでしょ。長すぎず、短かすぎず、学業を第一義とする学生にとっては気兼ねすることなく堪能できる日数なの。
年一度の学園祭じゃない、とか、3年に一回きりの修学旅行だよ、って。これが若者の気分を浮つかせ、テンションをmaxにさせるんです。
「学期末テスト、受験勉強」こんな現実から逃避させてくれるんです。学生も天国のような3日間まであと2週間とか指折り数えるわけです。
学園祭も就学旅行も準備があるでしょ。クラスの出し物の準備とか、修学旅行だったら行く先々の下調べとかね。
当日の雰囲気をイメージしながらの準備で、すでにテンションが上がり気味になりますから、気分は緩んで楽しくてしかたないわけ。
準備段階から男女間の気持ちに変化が現れる|男子校、女子校の諸君ゴメンよ
思春期の男子、女子がハイテンションで共同作業をしているわけですよ。数人一組のグループが幾つかできて、模擬店で振る舞う軽食のプランをねったり、図書館で調べものしたり、ちょっと普段と違う側面がお互い見えたりもするわけ。
放課後からの作業だと、あっという間に日が暮れるでしょ。いつもは明るいうちに、さよならするから暗くなって一緒に居る事なんてないじゃない。
これで心ドキドキが始まる。
『吊り橋効果』とか『恋の吊り橋理論』と同じようなものです。
一応、吊り橋効果を説明しておくと、ゆらゆら揺れる吊り橋を男女一組が一緒に歩いて渡っている時、その揺れ具合から胸がドキドキした。このドキドキを恋と勘違いして相手を好きになってしまう、という理屈です。
やっぱり、いま考えると学園祭・修学旅行という期限限定からくる自由感の上に、いつもと違う雰囲気や時間帯による妙なドキドキが上乗せされたんだと思う。
その証拠に、交際が続くのは長い奴で1年、ほとんどは1ヶ月も経たないうちにカップル自然消滅となるわけです。
なんちゃってカップルの意義は深いのだ
まず、なんちゃってカップルが成立しない人は期間限定にのめり込まないタイプです。学園祭・修学旅行でもテスト・受験勉強を意識し続ける人。
すなわち、自由度がもたらす浮かれ気分に流されず、テンションも上がらない人達です。
それが悪いとは言わない。その人の自由で、友達みんなが楽しんでいる間にも勉強を頑張ったおかげで受験に成功したのかもしれないですからね。
でも、なんちゃってカップルでも一応、カップルですからそれなりの事はする。まず、手はつなぐ。半数くらいはキスする。たいていは、それ以上はいかない。
でも、手をつなぐだけでもドキドキでしょ。じっとり手のひらに汗をかいてさ、震えちゃったりもする。
たった0.5秒くらいの短いキスなのに、“生まれてきてよかった!”とか思っちゃうわけです。
一方で、驚くこともいっぱいある。自分と相手の考え方の違いが結構大きいんです。今でこそ男女の思考の違いについて理解しているつもりだけど、当時はそんな事少しも思ってもみないでしょ。
彼女から受けた相談事に一発で答えを出したら気まずい雰囲気になったとかさ。電話で要件だけ言って切ったら、翌日不機嫌だったとか。
なんかよくわからない生物と遭遇したような気分にさせられるんです。
だから、学園祭や修学旅行が終わってしまうと、話の合う同性どうしで遊んでいたほうが楽しくなる。カップルの自然消滅も理解できるんです。
たいていの人は、こんな思春期を通過して適齢期前後で結婚するけど、結婚前に異性と初めて交際したとき、あの“なんちゃってカップル”の経験を思い出すんです。
男女間の考え方の違い。
「あっ、なんかあの時と同じパターンだ」って。
あれがあったおかげで、異性ってのはこんなもんなんだ、っていい意味での諦めがつくの。
あの経験のおかげで、悩まずに済むこともいっぱいある。
だからねえ、思春期真っ只中の諸君は思いっきり“なんちゃってカップル”を求めて全力で行って欲しい。将来、絶対に役に立つから。
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