3,4歳年上の職場の先輩にすごく精神バランスが良い人がいて、メンタルが強いなあって尊敬していたんです。
ちょっとやそっとじゃビビらないし、自分を上手くコントロールしているからうつ病とかにも絶対にならないだろうかって。
いつもは物静かでいて、それでいて、話しかけると明るく相談にも乗ってくれる。
懐が深いし、大物だなあって思っていたんです。
で、あるタイミングで職場の席が近くになったんです。先輩の仕事ぶりをよくよく観察できる位置で、これは勉強になるなあと楽しみにしていたの。
ところが思った人物とは180度違うじゃないですか。
愕然でした。
ここでは「人は見かけによらぬもの、じっくり観察しなきゃわからない」を解説していきたいと思います。
後出しジャンケンのあの男です
以前、『ムカつくぜ後出しジャンケン野郎』という記事を掲載させて頂きました。あの後出しジャンケン男なんです。
相手の動向を先に見て、それからじゃないと自分の意見は絶対に言わない、という人です。ある意味、世渡り上手といえば、言えなくもないけど、男としては情けないとしか言いようがないの。
得意な技はまだある、責任の分散作戦
これも、さすが考えたなって感じです。自分だけが責任をかぶらないように、社内・社外と問わず打ち合わせや会議には必ず誰か後輩を連れていくの。
勉強になるから聞いておいて損はないよ、って巻き込むわけです
打ち合わせ・会議では何らかの取り決めがなされるでしょ。たとえば「いついつまでに誰が、何を調査して整理しておく」とか「~さんの意見をヒアリングして集約しておく」とか。
楽にこなせるものもあれば、気が重くなるようなゲンナリ課題もありますね。でも誰かがやらなければなりません。そのために後輩を絡ませておいて、責任の分散をはかるわけですよ。
その先輩の言動は常に;
- やらなきゃならない事の責任分散
- やった事への評判の分散(悪評だったとき、自分一人が考えたんじゃないという逃げ道)
- 責任あるポジションについた場合の実務アシスタントの確保
メンタルが強いんじゃなくて、いざという時に責任をなするつけられる人質を取っていたんだ
この人の本性に気付いたとき責任を取らないタイプだとわかったんです。責任をなすり付けることができる人を人質みたいに囲っておくのです。
度胸が据わっているんじゃなくて、とんづらできる逃げ道を常に確保しておきたいビビりだったんです。
時代劇に登場する悪徳商人・越後屋みたいな存在ね。
平素はおとなしく人の良い素振をしているけれど、自分の立場が危うくなるとトガゲの尻尾切りを平気でするんです。
温厚でどんな相談にものってくれる笑顔が彼の本性のまわりに煙幕を張る効果を発揮していたんですね。
攻撃しないから、ほとんどが騙されているはず
「人は見かけによらぬもの」って言うけれど、社内のたいていの人は騙されているはず。敵を作らないように注意しているのでしょう。実際、悪口を言われているのを聞いた事が無いですから。
粘り強いのも特徴で、ずっとテニスのラリーをしていて相手がミスをするのを待っているタイプ。攻撃することがほとんどない。
だから恨みを買うこともないわけなんです。
自分が輪の中心に居て、みんなを引っ張ってまとめるようなことはないんです。意見を聞いて、その中から多数決とか、忖度で物事を決めていく。
その裏には、「問題が発生しても俺に責任はないよ。決めたのはみんなだからね」というせこさが隠れている。
この人の正体をみんなの前で暴いて、おんなにも小ズルい方法で生きていていいのか、と問えば、はっきり言って法律には違反していませんから、そんな生き方もありなんでしょうね。
多分、サラリーマンを定年退職するときに“うまい具合に世渡りできたなあ”と自分を褒めるか、どこか虚しさを感じるか、それくらいの違いなんでしょうね。
生き方の許容範囲内なんですからね。
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