独創的な発想などできない、自分独自の意見など導き出せない、と能力の限界を認めた奴の方が、悲しいかな、点数を稼ぎやすいのかもしれません。
はじめから、鋭く盲点を指摘する能力など持ち合わせていない、と開き直って、内面から何かを捻り出そうなどとしない方が楽に生きられるのかもしれません。
いわゆる、世渡り上手、とうタイプです。
ここでは、独創をあきらめ無難に点数を稼ぐ人達について解説しています。
ボクもそう思います、はいつ頃から身に着いた世渡り術なのか
年齢に関係なく、他人の意見に便乗する人はどこにもでいます。小学生でも社会人でも、その中間でもゴロゴロいる。
「何か意見はありませんか?」と問われて、スクッと挙手して意見を述べる人がいますね。するとすかさず、「ボクもそう思います」と追従する奴です。
とりあえず、なぜ同じ意見なのかは述べるものの、真新しさはこれっぽっちもありませんね。
周囲を見渡してみると、腕組みをして口を真一文字に閉じている男がいます。今の意見に同意しかねる、といった様子。釈然としないのでしょう。でも結局、彼は意見を発することはありませんでした。自分の中で考えがまとまらなかったのかもしれませんね。
真面目に考えても、それが徒労終わることも日常茶飯事。
同じ意見ならわざわざ言うなよ
同席している人はみな思っているにちがいない“同じ意見ならわざわざ言うなよ、時間の無駄じゃないか!”と。
でも司会者や学校の先生、研修の講師の立場からすると、同じでもいいから発言してくれた方が助かるんです。
だって場が盛り上がっているように見えるじゃないですか。しーんと沈黙した空気に包まれた教室や研修会場より、誰でもいいから、たとえクソつまらない意見でもいいから述べてくれたほうがましなんです。
“ボクも同じ意見です”の人はこれを熟知しているの。
だから、平気でつまらない意見を堂々と我が物顔で述べるわけなのです。
ここには知っておくべき問題が2つ内在しています;
①「なにか意見はありませんか?」というアホな問いかけをする教師の実力のなさ(浅草の隅田川花火大会の司会をしている高橋英樹が、ゲストにむかって「どうですか?」をかたっぱしからぶつける、あの司会進行力の無さ、と一緒)
②もう一つは、これを利用して“ボクも同じ意見です”を連発する世渡り術を認めてしまっている雰囲気。
生みの苦しみを諦めた世渡り上手
“同じ意見です”を堂々と言い放って点数を稼ぐ術を覚えてしまうと、その人は本来考えるべき事から思考が逸脱するんです。
誰の意見と同じなのがベストかを探るようになるの。あと、そのタイミングね。
独自の意見を捻り出そうと生みの苦しみを味わいつつ、徒労に終わる可能性のリスクを考えたら、良いタイミングで他人に便乗したほうが得策だと考えるようになるんです。
でも、これに味をしめて、メリット重視で“おいしいところだけサクッと頂いちゃましょう”が身についてしまったら、そのひとからは金輪際、斬新さや独創的なアイディアはでてこないでしょうね。
周囲の人達からは、“真似っこ饅頭”とか“点取り虫”とか“世渡り上手”のあだ名をつけられるのが落ちなのです。
意見としては似ているけど、決定的に違う点がここだ、はもっと腹黒
他人の意見を利用するにしても、やり方ひとつで全然違う印象を与えることができるの。
「ボクも同じ意見です、でもxxxの部分が違っている。つまりxxx」と大半は同じだけれど、ある特定の部分が違っていると強調するわけ。
違っている部分については自分で内容を考えなければなりません。でも100%独創的で違う意見を一から考え出すよりも簡単でしょ。
手間のかかり方が100倍違います。
この方法も、他力本願で最初に挙げた“ボクも同じ意見です”よりももっと腹黒い世渡り上手さが滲み出ているんです。
こういう意見を関心して聞いてちゃ、ダメですよ。
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