「やられたらやり返す」を日常生活で続けていたら無法地帯の戦闘状態になっちゃう。
でも仕事に話を限定すれば思ったことはズケズケ言って口論、話し合い、合意と一連のプロセスを踏んだ方が、結果的には濃密で完成度の高い結果が出せるんじゃないかと思うのです。
ここでは仕事において意見の違いがもたらす、素晴らしい成果について解説してゆきます。
事なかれ主義なんて意味はない
日本人に多いのが“事なかれ主義”ですね。心の中では反論しているけれど口には出さない。言葉にしてしまうと喧嘩になると思っているわけです。
少々自分の思いと違っていても反論せずに流してしまう。
従ってしまう。
よくあるパターンです。これが“事なかれ主義”です。
こういう人って何につけても事を荒立てないのをモットーにしているんです。冷静に真逆の意見を出し合って話し合うことだってできるのに、最初からそれすら諦めている。
本人は”平和主義“とかいっているの。
“相手の意見を尊重してどこが悪いの?”と本気で思っている浅い思考の持ち主なんです。
相手の考えを尊重するなんて全然ダメなんですよ。本人にとっても必ずしもいい結果になるとは限らないでしょ。
高層ビルの屋上から身を投げて人生を精算しようという考えを尊重しますか?
銀行強盗で一攫千金を狙う計画を尊重しますか?
「相手の意見を尊重する」には耳に優しいトーンが含まれていて、思わず頷いてしまいそうになるけれども、中身次第なんです。
だからむやみやたらと“相手を尊重する”を連発する人はたんなる無責任に他ならない。
真逆の意見を叩きつけられて目を覚ます
思い込みって誰にでもあって、なぜか突然ツボに入ったみたいに“これしかない”と自信を持ってしまうんです。ツボにはいっているから客観性は全然薄れちゃっていてバランスが乱れまくっているのに本人気づかないんです。
回りの人たちも“まあ、あれだけ自信を持っているのだからやらせてみるか”ってことになりかねない。この陰には相手を尊重する無責任感と事なかれ主義が混在しているんです。
でも、こんな時に“ちょっと待った!”の声をかける人が稀にいるの。
「俺はキミの意見とは180度反対だ。悪く思わないでくれよ。おれはさあ~」って。
スーッと探りを入れるように反論されると、賛成なんだか反対なんだかわからない。それは気遣いの一種かもしれなきけれど、役に立っていない自己満足です。
バン、と叩きつけるように反論されて初めて目が覚めるんです。
「そんな意見にゃ同意できねーよ!」と言ったら相手はカチンとくるでしょ。そこまで露骨に反論しなくとも、賛成か反対かは最低限わかるように言わないと意味がない。
で、そのうえで腹の中の思いを述べてみる。すると、あんがいわかってくれるんですよ、日本人って・
「ああなるほど、そういう考え方もあるよね」って。
だから思った事は言った方が絶対いい。
取引先との打ち合わせならもっとズケズケでいいの
取引先と打ち合わせをするとき、言うべき事を言えない人が多いとつくづくおもうのです。特に売り方がお客さんの顔色を見て萎縮して言えなくなっちゃう。
オレみたいに商社につとめていると製造業と、エンドユーザ―の企業との間にいるんです。すると、言いづらい事をあとになって打ち明けられるパターンが多いんです。
「お客さんの要望は受け入れたんです。でも追加の費用がかかると言っていないんです」とか「納期が1ケ月おくれてしまうんです」とか。
とにかくFace to Faceの打ち合わせの時はいい顔をしておいて、あとになってから何とかしてくれと泣きついてくる。
しょうがないから取引先の買い手側のところに行って話をするしかないの。
すると、追加のお金がかかるならやらなくてもいい、とか、1ケ月も納期が遅れるならやめておこう、とかになってくる。それを製造側に伝えると、もう着手してしまったとかい出だしてどんどん話がこじれてくるんです。
大人なんだから、言うべき事はその場でズケズケ言え、っていいたいのです。
それができないなら事態が無駄に混乱してくる。
売り手側よりも買い手が立場的に強いのはわかるんです。日本には「お客様は神様です」みたいな風潮があって、何を言われても平身低頭するのが商人の物腰と。
でもねえ、そんなの外国行ったら全然通用しませんから。
自分たちが開発した製品、生産した製品にもっとプライドを持たないと。だから、変な因縁をつけられたらバチッと言い返すくらいの気構えでいないと話にならないの。
そのうえでもしも買う方から何か言われたなら話し合えばいいんです。そこから初めて信頼関係が生まれてくるのですから。
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