責任感が強すぎると病気になるね。たいていの日本人は約束守るし、借りたものか返します。それができないとき、すごく嫌な気分になるじゃないですか。
嫌な気分になりたくないからガンバルでしょ。それで病気になるの。病気になるくらいなら約束やぶって嫌悪感でいた方がよっぽどいいのに、なぜか頑張ばるよね。
やり遂げて「誰の目にも、あなたが正しいと一点の曇りもなく映るのが当たり前だと思っているから中途半端なのが許せない。今日の仕事は今日のうちに済ませておかないと明日は明日でまた、いろいろあると思っている」
これが日本の経済力を支えているのだけれど、一方で精神疾患の温床にもなっているじゃないですか。騙される方がお人良し過ぎるんだ、と言う民族だってたくさんいるのにピュアすぎるのが日本人なんですね。これがMade in Japanの源になっているのです。
でも、やり過ぎなんですよね。
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生産性の低さ
日本って先進国の中で生産性は最低レベルなのです。
*時間当たりに稼ぎ出す利益が極端に少ない。
そのスタンスでMade in Japanを考えたとき、そこまで念には念を入れないと品質を保てないの?っていう素朴な疑問が湧いてきます。つまり、一つの製品を作るのに、たっぷりと時間をかけているって事ですからね。
手間ひまおしみません、みたいな雰囲気です。意地悪ないいかたをすると、時間をかけりゃ品質の良いものが作れて当たり前、ってことになる。
見て見ぬふりなんかできない責任感の強さ
正直に生きていきたい、を心情としている日本人にとってみれば、見て見ぬふりなんかできない。気づいてしまったのだからうやむやになんかできない、というのが日本人感ですね。
「手抜きして少しでも時間と労力を省こう」という考えかたと「改善して1秒、2秒を短縮する」の違いですね。前者なんかは罪悪感・嫌悪感にさいなまれるのが分かっているからできるわけないんですよ。
だからちょっと意地汚い上司が、手抜きの提案などしようものなら自分の首をかけても真正直を貫こうとする。家に帰って奥さんに相談するんですよ。
「もしここで俺が品質基準を守らずに不正手続きで不良品を世の中に流通させてしまったら、日本の物作りは地に落ちる」みたいな正義感で。
で、もしここで自分の正義感を貫いたら首になるかもしれない、と付け加える。家族3人が路頭に迷う結果になるかもしれない、って。すると奥さんがあっけなく「アタシもスーパーでパートするわ」みたいに亭主の生き方に賛同するわけです。
これが日本の物作りの生きざまになる。やっぱり、依然生産性の低い正直者の国でありつづけるのでしょうか??
イタリアのフィラーリと日本の自動車会社
イタリアのフェラーリの車作りは1台1台職人による手作りといいます。一方、日本は1日あたり何百台と同じ車を量産するでしょ。イタリアに比べて全然、生産効率が言い訳ですよ。
日本の自動車生産ラインは精密にできているから、どんな素人が工場の作業員となっても同じ品質の自動車が作り上げられる。作業員は職人でも何でもないんです。
フェラーリが人の技術力でクルマを作っているのに対して、日本は生産設備の技術力で作っている。さかのぼれば、生産設備を設計製作した人たちの技術力なんです。
そもそも、人間がロボットにどんどん置き換えられている時代ですから、生産性が低いわけがないんですよね。それなら、間接部門が足を引っ張っているのか、と考えると、それもどうも違うみたいですね。コンピューターによる自動処理がどんどん進んでいるし、AIだって取り込んできている。
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なぜ嘱託社員制度を法律化したの?
これハッキリ言って60歳定年を65歳に伸ばしたのが原因ですね。日本人のはたらきぶりは前述の通りです。でも、やっぱり60歳を過ぎると疲れやすくなるんですよね。
基本、超まじめで約束も守るけど、歳とともに踏ん張りがきかなくなってくるの。ワタシが勤めている会社だと60歳定年で、そのあと5年間は嘱託で仕事を続ける権利があるのです。
彼らを見ていて思うのが、定年を迎えてホットしちゃったんだなあってこと。ちょこちょこ仕事サボってますよね。嘱託社員どうし、タバコを吸ったりしてまったりしてますよ。表情みてても、すごく穏やかなの。
国と企業のバーター取引
年金の給付開始を遅らしたのが、嘱託制度(65歳まで働ける)の基になっているのはご存知の通り。65歳まで働く権利を与えたということは、給料を払うという事ですからね。
で、給料は企業にとって経費にあたりますから、その分、企業の納税額が減るというわけで、国と企業がバーター取引をした形になっているわけです。 国民は気付いていないかもしれませんが、国はここで日本人の性質をおもいっきり利用しているんです。
責任感が強いから65歳まで働けると決めた事で、ほとんどの国民が65歳まで働き続けるだろうと踏んだわけですよ。嘱託社員が企業にとって戦力になっていようがいまいが、そんな事はどうでもいいわけです。
生産性が低かろうが、たいした問題じゃないんですよ。年金給付の問題さえご任せれば。
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