横浜市に開設する精神障害者らのグループホームに近隣住民が反対しています。
その理由は;
◆不動産価値が下がる
◆近隣の子供たちや住民を危険にさらすことになる
◆施設を飛び出した入居者が家に入ってくるのではないか
等々ですが、一言でいうなら『町の治安が悪くなる』というクレームですね。
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精神障害者ら10人が共同生活を送ろうとしている施設がパンドラの箱と化すのではないかと心を痛めているのです。
何か悪い事が起こるのではないかと心配でたまらないのです。
2016年施行の障害者差別解消法という法律があって、障害の有無で分け隔てられることがないよう、国や自治体、民間事業者が差別解消に向けて取り組むとされています。
だから反対することは法律に逆らうことなんですが、事態はそんなに簡単じゃない。
障害者で一つにまとめてしまうと、身体障害者、知的障害者、精神障害者とかなんでも入ってくるでしょ。
近隣住民が主張しているのは、犯罪を犯すようなヤバイ奴を連れてこられては困る、と言っている。
だれかれ構わずに(殺人事件や傷害事件を犯す可能性のある人達)つれてこられては困る、とクレーム立てているわけですね。
不動産価値が下がるというのは少し色が違うようにも思えますが、座間連続殺人事件で実際にあの近辺の資産価値が下がったのは有名な話です。
だから事件でも起こされたら嫌だと思うのも頷けるわけですが。
津久井やまゆり園のジレンマ
神奈川県の津久井やまゆり園での知的障害者大量殺人事件が思い出されますね。
犯人の植松聖は「知的障害者は社会にとって不要な存在なんだ」と主張して殺害に及んだじゃないですか。
あの植松聖みたいなクレイジーな奴が移り住んでくるのか、と警戒する人だっています。
あれは、人格障害者(自己愛性人格障害)が知的障害者を大量殺害した事件ですが、、。
あのときの世論は「知的障害者を差別して殺害するなんてけしからん!」だったんですよ。
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精神障害者って危険な存在なの?
精神障害者っていう表現はちょっとグロテスクと思いませか?
一般的な精神疾患というと、うつ病、双極性障害、統合失調症あたり、もしくはアルコール依存症やギャンブル依存症とか。
そんなに大それた危険性は無いように思えるものの、実際はどうなのかはわからない。
植松聖とか、酒鬼薔薇聖斗(今はしゃばで、のうのうと生活してます)みたいのが来たらヤバイと思うわけですよ。
だから施設に反対している住民の方々は、どんな容体の精神障害なのかを知りたいと思うでしよ。
でも守秘義務があるからで絶対に明らかにはされませんね。
すると、どんどん妄想は広がるばかりです。
具体的にこの人はどういう精神疾患です、みたなのは公表できないとしてもある程度の説明はマナーとして必要ですよね。
で、精神障害者って危険な人なのか、という問いに対しては危険な人もいます。
とくに、未成年で凶悪犯罪を犯したものの、少年法の適用で刑罰を逃れた人たち。
精神病院系の少年院で一艇期間暮らし、出てきた人ね。
上記の酒鬼薔薇みたいな奴。
東京都綾瀬で起きた女子高生コンクリート殺人の犯人らは全員少年法適用でした。
少年院から出てきて、すぐにまた犯罪犯して逮捕されているでしょ。
佐世保で同級生を殺して、動体から首を切り離した女子高生も、そのうち社会に出てきますよ。
精神障害者、という言葉で括ってしまうと、その人物像はどんどん悪いイメージへと変換していく。
だから、障害者差別解消法の適法をどうの、こうのと言ったって心情的には全然解決しない。
あげくの果てには、グループホームの正面玄関あたりにスプレーで理不尽な文句をいたずら書きされる。
そこに住む精神障害者らが軽症の人たちで、社会復帰を目指そうかという段階だったとしたら、どれだけ傷付けられることか。
このあたりの生々しい事情を少しは考慮しないと、住む人も近隣住民もお互いに不幸になっていくでしょ。
やり方が間違っているんだよね。
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