親は特別な存在だからこそ子供心を受け止めなければならない
小学生の我が子が嬉しそうに、そして誇らしげに写生画を抱えて持ってきました。
先日の写生大会で入選した水彩画です。
母親は興味深かそうにのぞきこみます。
「上手ねえ、これはどこの風景?ここに描かれているのは誰?」と質問を連発。
子供は照れ臭そうにもじもじしています。
「あっ、思い出した。この絵をかいたのは、あのすごく暑かった日でしょう」
「そう、汗でびしょびしょになりながら描いたの。頑張ったの」
「偉かったわね。作品も本当によくかけている。絵の才能あるんじゃない。この次も頑張ってね」
一方でこんな親もいます。
写生画を一瞥したたけですぐに「算数のテストはどうだった?」と問う親です。子供の描いた絵には興味を示さずにテストの点数へと話題をうつしました。
「85点だったんだ」と子供は答案を取り自分の部屋へと戻りました。
「85点かあ、、、」と母親微笑みました。そして「この次は100点目指して頑張ってね」とその場を後にしました。
【広告】
積極的になる子供と消極的になる子供の分かれ目とは
最初はささいな分かれ目でした。
最初の子供は、写生大会の絵から始まって、友達どうしで描いたオリジナルの漫画、学校内で入選した読書感想部へと次から次へと母親に見せたのです。
自分のやっていることに母親が興味をもってくれたのがうれしいのです。
勉強が分からなくなった時も母親に相談するようになっていきます。点数の悪かった答案を見せたときに、一緒なって解き直しをしてくれたから、それが楽しかったからなのです。
母親にしてみれば、我が子の成長を子供の口から話して聞かせてくれるなんて、こんなに楽しいことはないと思っていたのです。
家に帰ると学校であった事をろくに話しもせず、ゲーム、テレビ、漫画に夢中になる子供が増えているじゃないですか。
後者の子供も勉強のできる優秀な学生へと成長してゆきます。
両親から将来を嘱望されています。
でも母親にテストの答案を見せるのは、決まって母親が気にかけている科目だけです。それ以外、母親は強い関心を示さないからです。
二人の決定的な違いとは
二人の子供の決定的な違いはなんでしょうか?
簡単な質問です。
自分に自信が持てるようになるかどうかです。
前者は学校生活を謳歌しているのです。
学校であったことを家で話し、一心に耳を傾けてくれる親がいる。
成績が良くても悪くても、笑いながら会話できる家族がいるのです。
自分が認められる分、どんどん自分に自身がついて行きます。
後者は母親を喜ばせるために良い成績を取ろうとしているのです。
年を追うごとに、どんどん価値観の比重が母親に移っていきます。
母親を喜ばせるのが生活のなかで優先されていくわけです。顔色を窺いながら生きているのです。
でも、本人はなかなかそれに気づかない。
だって自分が好きなことをやっていると信じ込んでいるからです。
◆本を読むのか好きな人
◆物語を書くのが好きな人や
◆絵画を鑑賞するのが好きな人
◆絵を描くのが好きな人
◆人を笑わせるのが好きな人
◆母親を喜ばせるのが好きな人
人それぞれいろいろな趣味があります。だから上記はどれもごくごく普通です。もちろんこれ以外にもたくさん心を支え、人生を彩るものがあります。
なぜ、うちの子は積極的になれないの?と疑問を抱きながら我が子の心を灰色に変える親
でも一見楽そうに思える趣味が、すこし変えただけで子供の人生を灰色にしてしまのです。
それが親の存在です。
「母親を喜ばせるのが好きな人」と先ほど書きました。
母親が楽しそうに笑うのが子供にとって、それは何よりも楽しいことなのです。
でもそこには落とし穴があると親ならば承知していなければなりません。親であるからこそ、知っておかなければならないのです。
それはなぜでしょう。
親は子供にとって特別な存在だからです。
子供は親の言葉の魔法のように吸収します。親に好かれたいという気持ちが本能的に備わっているのです。
もちろん、生まれ、育てられ、物心がついたときに備わっていた感情です。
甘えていい、頼っていい存在と心に刻まれたからです。
一年、二年と歳を重さね合ううちにますます親子の絆は強くなり、特別な感情で結び付けられるのです。
逆に考えれば親にとって我が子をコントロールするなど意図も簡単なことなのです。
◆親の言葉は魔法の言葉
◆親の笑顔は何よりも嬉しい
◆親に褒められるのは他の誰に褒められるよりも心が躍る
これが親にとっての最大の武器で、使い方ひとつで子供の人生を左右してしまう危険をはらんでいるのです。
【広告】
積極的な子供にしようと思ったら、どんどん子供に関わっていけ
話を聞いてくれる親がいたら、子供はどんどん率先して話をします。自分の考えだけでなく、友達の考え、先生の考え。
親からの反応が楽しいのです。
親がなんと言ってくれるかが聞きたいのです。
だから、ここで親は細心の注意を払わなければなりません。
子供の目を見て、家事をしていた手を休め、真正面から向き合うのです。
子供が話しやすい雰囲気を作るために微笑むのです。
「今日は学校どうだった?面白かった?お友達と仲良くできた?いじめっ子に意地悪されなかった?、、、」
子供の反応を促すのでうす。
興味を示して話の先を促すのです。
子供の口がとまりそうになったら、すかさず質問です。
「えっ、それでxxxちゃんはなんと言ったの?」
「何も言わなかった」
「なんでだまっちゃったのかなあ?悲しくて言葉がでなかったのかなあ」
「そうかもしれない」
「明日は元気になるといいね」
「うん」
テストの答案を持ってきたら、点数がよくても、悪くても点数ばかりに気を取られたらダメなんです。褒めてあげるのはもちろん大切ですよ。
でもそのあとに「一番難しかった問題はどれだった?」と、勉強の中身にも興味を示すのが大切なんです。
この問題ってどうやって解くの?と聞いてみてください。
喜んで得意になって説明してくれます。
「間違えちゃった問題を、ちょっとお母さんに解かせてみて」と一緒に考えてみるのです。
ヒントを与えながら、一緒に解いていくんです。
これを繰り返すことが親子の関係を成熟させるのです。
もっと、もっとお母さんと話がしたい、と思うようになるじゃないですか。
自分に自信が持ててきている証拠です。
この子は、どんどん積極的な子供に育ちます。
その一方で、親が喜ぶ顔を見たいがためテストでよい点数を取ろうとする子がいます。でも、お母さん、それに今気付いたなら遅くはありませんよ。
点数だけじゃなくテストの中身に興味をもってあげてください。
◆一番手応えのあった問題はどれだった?
◆こういうテストって上から順番に解いていくの?
◆時間が無くなったらどうするの?
◆計算問題、お母さんも1問やらせてみてくれる?
点数がよければ褒めて全然問題はありません。悪ければ次頑張りなさいと励ましてあげて問題ありません。
でもテストの点数だけではダメです。
テストを受けた本人を見てあげてください。
どんな問題と向き合ったのかを見てあげてください。
これを繰り返すうちに、母親に気に入られるためにはテストの点数を取るのが薄らいでいきます。
時間はかかりますが、絶体に親子の絆に気付いてくれます。
だって子供にとって親は特別な存在なのですから。
本当に自分が大切にしたものが見つからなくなります。
感受性の敏感なときに、母親への従属を自分かしてしまうと楽しいことが、楽しくなくなってきます。
友達とカラオケや旅行に行くことが後ろめたく感じられるようになるのです。
もしかしたら、テストで高得点をとるのは自分のためだと思っている子供もいます。
でも、小学生、中学生はまだまだ子供です。お母さんの笑顔が見たいだけなのです。
子供を取り返しのつかないメンタル状態へと突き落とす前に、親がまず気付いてください。
【広告】