本当にあった怖い話し|猫の塩漬けを作ろうとしてこっぴどく叱られたが

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猫の塩漬け実験

  

先日、『本当にあった怖い話』をテレビで観ていて、30年近く前の話を思い出したのでご紹介します。

このシリーズはたいてい観ているので、なぜ、このタイミングで古い話を思い出したのか、あとで申し上げますね。

 

小学5年生か6年生頃だったと記憶しています。

夏休み前のある夏の朝、クラスメートのA君が登校途中の道端で猫の死骸を見たと息を切らして教室に駆け込んできました。車に引き殺された猫を、誰かが道の端っこまで運んだのだろうと言います。
これを聞いた僕ら仲良しの4人組が即座に思い付いたのが『猫の塩漬け』でした。

なんで、そこで猫の塩漬け!と思われるかもしれませんが、僕ら4人にとってはごくごく自然だったのです。
ちょうど、理科か社会の授業で人が食物を保存する知恵として塩に漬け込んでいた、と習ったばかりだったからです。正月の新巻鮭と同じ理屈で、昔の人は食べ物が腐らない工夫として塩漬けを考えたとのこと。

本当に、このクソ熱い夏に猫は塩の中で腐敗せずに、夏休み明けの8月末まで持ちこたえられるか、とういうバカげた実験です。

 

僕ら4人は授業が始まるまでの10分足らずで、生徒の出入りが禁止されている裏側の通用門をでて、猫の死骸のある道路まで全速で走り、掃除用のブリキのバケツに猫の死骸を移して学校に戻り、プールの下の比較的涼しいところに隠したのです。

 

問題は猫をバケツに覆い隠せるだけの塩をどうやぅって集めるか。

4人が家から持ち寄ったとしても、バケツ一杯には程遠い。

取りあえず4人のおこずかいで買えるだけの塩をスーパーマーケットから買う。

つぎに掃除用のバケツを返却しないと、そこから学校にバレる。かといって、バケツを買うくらいなら塩に資金を回さなければならない。

ここが一番悩んだところでしたね。子供ながらに、実健には金がかかるのだと痛感したのでした。

結局、ビニール袋にたっぷりの塩と猫を入れ、プールの下に穴を掘り、ビニール袋こと埋めることにしたのです。

 

授業が終わり、4人は猛ダッシュで家に帰り、スコップ、ビニール袋を持ったまま、スーパーマーケットに走り買えるだけの塩を買ったわけです。

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あっさり見つかり大目玉

 

ひき逃げされた猫の死体は腹部が破れ、酷いものでした。

一人が「荒巻鮭ってさあ、内臓を取り除いた状態で塩にまぶしてあるよねえ?」と唐突に気持ちの悪い発言をしたのをいまでも耳に残っています。

もちろん、僕らは猫の内臓など取り出せるわけもなく、傷口あたりには手厚く塩を詰め込み、塩まみれの猫をビニール袋に密閉してプールの縁の下に埋めたのです。

ところが、誰が言いつけたのか、僕たち4人は翌日の朝、早々に職員室に呼び出されたのです。

担任の先生と、学年主任から、こっぴどく怒鳴られました。さらに、家にも連絡され両親からも雷が落とされました。
たしかに死んだ猫を塩漬けにするというのは大人になった今かんがえても、普通じゃないといえば、普通じゃない。

なぜそんな事をするんだ、と一方的に問い詰められました。

もちろん僕らは実験のつもりだったと説明し、学年主任の先生と、親には分かってもらえました。でも担任の先生にはどうしても分かってもらえなかった。

まるで僕らが猫を殺したかのように攻め寄ってきました。

僕らは塩に漬けこむことで腐敗を本当に抑えられるのかどうかを知りたかっただけだと何度言ってもダメなのです。

猫を殺したのを隠すつもりで、腐敗を食い止める実験をこじつけたのだと言って、それを認めさせようと責め立てられたんです。

担任の先生は事あるごとに僕らを教室に居残りさせて話を蒸し返してきました。ある時は一人ずつ、ある時は四人まとめて自白を求めて来ました。

それも何度も、何度も。

僕らはさすがに担任と会うのが怖くなってきて、あるとき親に相談したのです。親は僕らの主張を理解してくれていましたから、いくらなんでも担任の取り調べ行為は行き過ぎではないかと学年主任に掛け合ってくれたのです。

 

担任教師は虐待被害者だった

 

学年主任がいったん預かることになりました。タイミングを見て、担任に話をするので暫く時間が欲しいと言われ了解しました。

暫くして、担任の先生は体調不良で学校を休みがちになり、夏休み明けの9月には1度も姿を見せることなく学校を去っていきました。

別の学校への転勤がきまったと学年主任から説明を受けましたが、夏休み前に転勤というのに僕らは子供ながらに違和感をもっていました。

あの一件以来、ぼくらは学年主任とも時々話をするようになっていて、担任の転勤についても事情を聞きたかったのですが、これだけは毎回同じ答えで学校の事情としか話をしてくれませんでした。

 

僕らは小学校を卒業し、同じ公立の中学校をでて別々の高校、大学へと進学し、就職してゆきました。4人とも地元に残っていたので疎遠になることはなく、あまに会っては酒を飲む事もありました。

小学校を卒業して、担任の先生の事情が少しずつ分かってきました。

あの事件で、僕らの担任は転勤ではなく入院したとのことでした。

僕らの担任は、学年主任の教え子でもあったのです。

彼は児童虐待の家で小学校低学年まで育ち、虐待が発覚した後、児童養護施設に移されたとのことです。(14歳以下の児童は少年法の適用を受けず、触法少年として被害・加害抜きで対処されるのです)
当時の彼の担任が学年主任で、児童虐待を児童相談所に通報したのも学年主任だったわけです。

昔のアルバムには若かりし頃の学年主任と、子供の頃の担任がセピア色に写っていました。

「今、俺らの担任はどうしているの?」

よくわからないのです。少なくとも教職にはついてはいない。

「なぜ、猫殺しにあそこまでこだわったのだろう?」

「児童虐待の家で、父親が彼の目の前で飼っていた猫を殺したのがトラウマになったらしいよ」

「なんでお前、そんなに詳しいの?」

「じつは、少し前にオレ、学年主任とばったり会ったんだ。もう定年退職していて、今は嘱託で教えているって言ってた」

父親に飼っていた猫を殺されて、それでもその猫が忘れられないと泣き叫ぶ少年のために、学年主任が猫の前足1本を切断して清潔に乾燥させたそうだ。

その過程を、猫の供養の気持ちを込めて二人で丁寧にやった。

細菌で猫の手が腐敗しないように最初は塩に漬け込んで水分が抜けきるまで何度も何度も塩を取り換えた。

それから骨に乗った乾燥肉を取り外し骨と皮膚と毛だけにした。

俺たちが猫を塩漬けにしたのを見て、当時の虐待や飼い猫を殺された辛い過去を思い出してしまったのかもしれない。

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学年主任を訪ねる

 

僕たち4人は連絡をとり合い、仕事の無い土曜日の午前中に集まった。

学年主任は今は嘱託雇用の身だが、当時の理解室は、そのまま彼の城となっているらしい。

学校の授業が午前中で終わる土曜日をあえて選んだのは、母校の理科室を久しぶりに訪れるのが目的だった。

12時半に授業が終わり、そのタイミングで元学年主任の城を訪れる。

もちろん、約束は取り付けてあって、妙な抜き打ち訪問ではない。

 

「いやあ、みんな立派になって」

「先生も相変わらずお若くていらっしゃる」

そうは言いながらも学年主任には当時の迫力はない。
だいぶ身体も弱っているように見えた。理科室は当時のまま、6人が一つの大きなテーブルに着くようになっていて、、実験の為にテーブルごとに水道の蛇口が設置されている。

学年主任はこれから一仕事する準備を整え終えたところだった。

教壇に近いテーブルに解剖法の精密なピンセット、ナイフなどのセットと、消毒用のアルコール、清潔なタオルが置いてあった。

テーブルの中央には、ビニールシートが広げられ、その上に半ばミイラ化した猫の死骸が横たわっていた。

 

「これがあの時、キミたちが塩漬けにした猫だよ。何度も何度も塩を交換し猫の肉体から水分を吸い取った。普通は内臓を除外してから塩を加えるのだが、これは特別。内臓そのものも乾燥した状態で残っている。あばら骨の内側をそっくりそのまま取り出してホルマリンに漬けにしてみるつもりなんだ。そして、猫一匹まるごとの骨の標本にしてみるつもりなんだ。どうだ、手伝ってはくれないか?」

 

「僕らの当時の担当の先生は今、何をされているのかご存じですか?あの事件の後で、転勤ではなく病院に入院されたとききましたが」

 

「精神病院からほどなく退院したが、子供の頃のトラウマからは抜け出すことはできなかったようだ。幼児虐待というのは人の一生を滅茶苦茶にするちからがあるのだねえ」

 

なぜ、この話を思い出したのか。

『本当にあった怖い話』の一つにガンバレルーヤのよっちゃんが主演のストーリーがあるましたね。学年主任がよっちゃんにそっくりだったからなのです。

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