欧州の付加価値税(VAT)の還付|三国間貿易でも還付の方法がある

Pocket

 

欧州付加価値税(VAT)がからむ取引

 

欧州メーカーとの三国間貿易です。

 

 

上記の図が取引形態を現しています。

  1. ドイツの自動車メーカーから日本の設備メーカーが自動車製造設備を受注しました。

  2. 日本の設備メーカーは、日本国内で自動車製造設備を作り上げて、ドイツに向けて輸出しました。

  3. 日本の設備メーカーが作った設備には産業用ロボット5台が含まれます。

  4. 日本の設備メーカーはロボット5台をスペインのロボットメーカーに発注し、ドイツの自動車メーカーに直接納品してもらいました。

        【広告】

上記取引にかかるVAT(付加価値税)

 

日本の設備メーカーが作った自動車製造設備にかかる関税(DUTY)と付加価値税(VAT)はEUで輸入通関をかける際に納税することになります。

では、スペインのロボットメーカーが作ったロボットはどのように税金がかかるのか?

まず、関税(DUTY)は、欧州域内取引なので無税です。

欧州域内では品物も人も移動が自由であり、品物の売り買いがEU域内で発生しても関税(DUTY)はかかりません。

もう一つの税金の付加価値税(VAT)が問題なのです。

EU域内での売り買いでも付加価値税(VAT)は課税されるのです。

これは、日本国内での取引で、消費税がかかるのと同じです。

VATとは日本の消費税にあたる税金で税率は約20%です(国によって19%だったり21%だったりしますが、ほぼ20%前後と覚えておいてください)。

このVATは誰が納税することになるのか?

スペインのロボットメーカーは、ロボットを注文した日本の設備メーカーに請求してきます。

日本の設備メーカーはロボット代金と、ロボット代金の20%に相当する額をスペインのロボットメーカーに支払うことになります。

日本のロボットメーカーは、ドイツの自動車メーカーに自動車製造設備を販売する価格に、そのVAT分のコストを含めておけばドイツから20%のVATは回収できます。

ただし、その分、日本の設備メーカーは価格競争力が弱くなってしまうわけです。

 

付加価値税(VAT)の還付

 

さて、その場合にはどのような手段で価格競争力を保つべきなのか?

答えは「非居住者によるVAT還付申請」です。

日本の設備メーカーはEU連合の国々のどこにも現地法人をもっていません。

つまりEU連合加盟の国々にとってみれば、日本の設備メーカーは非居住者とうい位置づけになります。

さいわい、スペインでは非居住者によるVAT還付申請が認められていますので、スペインのロボットメーカーに支払った20%のVATを、還付手続きをとることで取り戻すことができるわけです。

これはスペインだから有効なVAT還付手続きの手段であり、EUのどこの国でも通用するわけではありません。

 

では、もしフランスのロボットメーカーからロボットを買い、ドイツの自動車メーカーに直接納品させた場合にはどうなるでしょうか?

フランスのロボットメーカーは日本の設備メーカーにVATを請求してきますので、上記と同様にVATを販売価格に含めておく方法があります。

結果は、価格競争力の低下となります。

しかし、フランスのロボットメーカーに日本の設備メーカーのVAT番号(EUにVAT登録をした番号)を伝えれば、VATの請求を取りやめてくれる可能性があります。

 

どういう事かと言うと、EU連合の国々の中でビジネスをする場合には、VAT番号を登録するといのが原則なのです。

「EU連合の国々の中で」の意味は、売り買いした製品がEU連合の国々の外に持ち出されないという意味です。

この場合では、フランスのロボットメーカーから買ったロボットがEU連合の国々の外に持ち出されない、という意味なのです。

そういう場合には、EU連合国のいずれかにVATと登録しなさい、と解釈しなければなりません。

 

それでは、もし日本の設備メーカーがEU連合の国々のどこかにVAT登録をし、VAT番号を保持していたとすればどうなるか?

フランスのロボットメーカーにVAT番号を提示する事で、VATの支払を避けることができます。

つまり、フランスのロボットメーカーがVATを納税してくれるわけです。

もしくは、日本の設備メーカーがVATを納税したとしても、VAT番号さえ持っていれば還付申請ができるのです。

*スペインの場合には、非居住者による還付申請が認められていましたが、EU連合の国々でそれが認められている国はほとんどありません。

        【広告】

欧州のVAT登録をしていない場合は?

 

もし、自社でVATの登録をしていな、もしくはVAT登録をするのが面倒だ、と考える会社はどうするべきなのか?

答えは、日本の商社(EU連合の国々にVATを登録している)をドイツの自動車メーカーと契約をさせて、日本の設備メーカーは、その商社と契約を結ぶわけです。

 

 

そうすることで、商社に手数料を支払ったとしても、20%のVATの支払を回避することができるわけです。

         【広告】

関連ブログ

契約書に盛り込む代金回収の条項|所有権留保と危険負担

Website Pin Facebook Twitter Myspace Friendfeed Technorati del.icio.us Digg Google StumbleUpon Premium Responsive

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*