感想文の書き方:ヒントは脳に選択肢を与えることなのです

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心がゆさぶられるような物語など、そうそう出会えるものではありませんね。
読書感想文を宿題にだす学校の先生だって、内心そう思っているはずなんです。生徒のピュアな気持ちだけで原稿用紙をうめつくした感想文はありえないとわかっているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秀才生徒は先生ウケする内容をわかっていて、作者の意図を調べたうえで、あるべき感情をなぞったような構成の感想文を作り上げます。
文章を書くのが苦手な生徒は、あらすじ8割、感想2割、しかも文字制限ギリギリの感想文らしき書面が提出してくるのです。

感想文なんてさあ、しょせんそんなものだとシニカルに開き直るつもりはないですが、感動で嗚咽が止まらない物語など、そうめったにお目にかかれないのも事実ですよね。

 だとしたら、読んだ物語でなにを感じたか、なにを連想したか、過去の記憶のなにを思い起こさせてくれたかに時間をかけて取り組むのは生徒にとってサディスティック以外のなにものでもないように思えるのです。

 「物語の主人公が発した残酷なセリフが、突然幼児期の父親を思い起こさせた。もしかしたら、私は幼少期に父親からの虐待を受けていた可能性があるのかも?」などと精神鑑定さながらに自分の深層心理に迫ったってしかたがないのです。

読書感想文という課題ではありますが、感想にいつまでも固執してもしかたない。むしろ、まとまった文章を書く練習の場ととらえたほうが現実的なのです。

前置きが長くなりましたが、早速始めます。
ヒントは脳に選択肢を与える事なのです。

 

【どう感じたかの選択肢を列挙する】

感想を述べやすくするための補助の役目として、幾つかの選択肢をあげてしまうのです。読書をしたあとで、こんなふうに感じるだろうという感想をアットランダムに挙げてみます。

―共感した
―感動した
―ムカついた
―狂気を感じた
―怒りを覚えた
―のんきだと思った
―現実はばれしていると思った
―バカだと思った
―賢いと思った
―ずるいと思った
―卑怯だと思った
―感受性の強い人だと思った
―世間体ばかり気にする人だと思った
―芯のとおった人だと思った
―自分勝手な人だと思った
―サイコパスではないかと感じた
―子供のような人だと思った
―縁起を担ぐ人だと思った
―野菊のような人だと思った

 この脈絡のない感想(感想らしき言葉)を整理してみます。

 良い印象、悪い印象に区分します

 【良い印象】

 ―共感した
―感動した
―賢いと思った
―感受性の強い人だと思った
―芯のとおった人だと思った

 

【悪い印象】

―ムカついた
―狂気を感じた
―怒りを覚えた
―のんきだと思った
―現実はばれしていると思った
―バカだと思った
―ずるいと思った
―卑怯だと思った
―世間体ばかり気にする人だと思った
―自分勝手な人だと思った
―サイコパスではないかと感じた
―子供のような人だと思った
―縁起を担ぐ人だと思った

【どちらでもない】

―縁起を担ぐ人だと思った       
―野菊のような人だと思った

 

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 【良い印象】

 ー共感した →  誰に? → ストーリーのどの部分?
―感動した →  何に?/誰に?  → ストーリーのどの部分?
―賢いと思った →  誰を?なぜ?  → ストーリーのどの部分?
―感受性の強い人だと思った → 誰を? → どんなところが?
―芯のとおった人だと思った → 誰を? →  どんなところが?
 

【悪い印象】

―ムカついた →  何に?誰に? → ストーリーのどの部分?
―狂気を感じた →  誰のどんなところに? → ストーリーのどの部分?
―怒りを覚えた →  誰のどんなところに? → ストーリーのどの部分?   
―のんきだと思った → どんなところが? → ストーリーのどの部分?
―現実はばれしていると思った →  どんなところが? → ストーリーのどの部分?
―バカだと思った →  誰が? → ストーリーのどの部分?
―ズルいと思った → 誰が? → ストーリーのどの部分?
―卑怯だと思った →  誰のどんなところが?
―世間体を気にする人だと思った →   どんなところが?
―自分勝手な人だと思った →  どんなところが?
―サイコパスではないかと感じた →   どんなところが?
―子供のような人だと思った →  どんなところが?

注釈)
本当にズルい人の物語を読んで、ズルいと思ったでは感想として成立しません。一見、そんな風には見えない人たちでありながら、ある言動から、もしや彼らはズルい人たちでは?と思ったであれば感想文として成立するのです。

【どちらでもない】

―縁起を担ぐ人だと思った →  どんなところが?
―野菊のような人だと思った → どんなところが?

注釈)
野菊が一般的にどんな存在なのか定説があれば、それをベースに筆をすすめればよいのです。
しかし、野菊にたいする感情があなたにとって特別なものであったなら、それ説明する必要があります。
「野菊を見ていると、気持ちが落ち着き、自然な気持ちでいられるのです。主人公のA氏は、そんな特別な存在な野菊を思い出させてくれる人でした。多くの問題を抱えながら、それでも強く生きていく姿が自然のなかでひっそりと咲く野菊を思いださせてくれたのです」

 

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【感想文作成プロセスの例/共感した】

もっともオーソドックスな感想文は「主人公の生き方に共感した事」をつづったものですね。

共感した場合の書き方をご説明します。
物語全体を通して共感したと書いてしまうと、感想文の構成を作りづらくなります。
登場人物を選んで、そにスポットライトをあてて具体的にエピソードを挙げるとようにしてください。

<準備作業>

共感を覚えたエピソードの部分にチェックマーク!
誰に関するエピソードかを余白に追記!

そこで問題なのが、なぜ、共感を覚えたかなのです。
ちょっと考えてみてくださいね。人が共感・感動するのは、どんなときでしょうか?

第一印象や、外見と異なる一面を目の当たりにした時ですね。
『普段誰にでも優しく、繊細な神経をもっている彼が、クラスの友達を助けるために型破りな行動に出たとき』、などが例としてあげられます。

エピソードから主人公がどのような人柄で、どんな性格であるかを示す。
型破りな行動を感じさせるエピソードを紹介する。

文例
『もともとの性格は優しく繊細なのに、自分を奮い立たせて、問題に立ち向かう姿に共感した。きっと心の中で強い葛藤があったに違いない。不安で逃げ出したくなった時もあったに違いない。それでも、、、、、、に共感した。』

 

<転換>

起承転結の転の部分は、感想文に厚みを持たせることができます。
ご自分の実体験を挿入するのが一案ですが、そこにも幾つかのパターンがあります。
①たとえば、主人公とご自分の体験がオーバーラップするエピソードを記載して、主人公の言動に共感が持てる理由とするもの。
②逆に主人公とは正反対な実体験を説明して、ご自分の実体験と主人公の言動の違いを比較するという書き方です。

 

< 結論を書く>

性格的に無理だ、とすぐにあきらめるのではなく、この物語の主人公のように、立ち向かうべきときには勇気を出して立ち上がりたい。 

 

【感想文作成プロセスの例/卑怯だと思った】

物語が卑怯であるわけでなく、登場人物の中に卑怯な人がいたという意味です。
誰が見ても卑怯者であると一目瞭然の人とを取り上げて「卑怯者だと思った」と感想を述べても、何も意味をなしません。

卑怯者とは正反対の人物として一目置かれている人がいて、彼とのやり取りを重ねる中で、どうも実態はちがっているのでは、と感想文の中で解いていくわけです。

<準備作業>
 

友達おもいのふりをして、実際には損得勘定ばかりしている、そんな一面を現わすエピソードがあれば、逃す手はありません。
他にも同様なエピソードが隠されていると考えられます。

それらにチェックマークをつけておくのです。

もう一方で、卑怯とは正反対の言動が書き表されている部分が必ずあります。友達おもいの側面です。卑怯者が普段、周囲にみせる表のですね。そこもチェックマークです。

この二つの顔を対比させますが、はじめに;

友達おもいのエピソードから、温厚で実直な人柄であると推測する
損得勘定ばかりしているエピソードを紹介したうえで、二つの顔を持っているとのではないかと推測します。さらに、別のエピソードからも、マイナーイメージを感じられることを説明します。

<転換>

 
起承転結の「転」の部分として、あなたご自身のエピソードで感想文に厚みを持たせます。
エピソードが無い場合、新聞などで話題になっている人でも構いません。ベトナム人の女の子を殺害し、逮捕されたPTA会長がいましたね(リンちゃんを殺害した渋谷容疑者)。そんな人を例として出してもかまいません。私たちが生活している実社会にも二面性を持った人がいる事を意識するわけです。

ここで人間であれば誰でも二面性を持っているものだと、いったん二面性を養護します。

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< 結論を書く>

二面性そのものが悪いわけではない。多くの人は辛い事があっても、悲しい事があっても、周囲に心配をかけまいと明るく陽気に振る舞うものです。少しぐらい体調が悪くても、何でもない顔をしているものです。
この二面性と、物語に登場する彼の二面性には決定的な違いがある。それは、誰の為に二面性を抱えているかです。

周囲に迷惑をかけたくない、心配をさせたくないと、他者への想いから敢えて二面性をもつタイプの人。それとは真逆で、物語に登場する彼は、自分の為に二面性もっているのです。

温厚な性格を装って、じつは自分が得することばかりを優先するタイプの人間だったと気付いた。

彼が、とても卑怯な人に見えてきた。繰り返し読むと、だんだんと腹が立ってきた、と結んで完成です。

 

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