息子殺しの父親の苦悩・息子の精神疾患と父親の判断ミスが悲劇の原因

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2017年4月18日に読売新聞に掲載された特集記事「孤絶・家族内事件」。

息子殺しで懲役4年の刑で服役している60歳代の父親。
人、ひとり殺してたった4年の刑、しかも殺したのは自分の息子となれば訳ありだろうと想像がはたらきます。

息子とは奥さんの連れ子で、小さいころから可愛がり、ものごころついた頃から父親になついていたという。成人してからも一緒に晩酌しながらよく話をしていた。まさに、理想の親子像なのです。

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ところが息子さんは結婚、離婚を繰り返したあたりから様子が変わってきたといいます。

「盗聴されている」と言いだしてテレビや携帯電話を壊し、母親や長女を「埋めてやる」と脅し、近所の家々のガラス窓や自動車のガラスを壊して回るようになった。

 

 

 

 

 

 

 

父親は息子ともみ合ったすえ、息子の首をしめて殺害したというのです。息子殺しの父親は4年の実刑判決で服役しながらも罪悪感に襲われる毎日。罪の償いをしながらも、心の整理ができずにいるのです。

取材への協力として、やっと口にだした言葉は「もし、自分が息子を殺していなければ家族の誰かが被害にあっていた」であったのです。

 

この事件は、介護で疲れ果てた末の殺害事件や、非行やドラッグにのめり込んで家庭内で暴力振るう思春期の息子や娘、そんな家庭内での問題とオーバーラップしてくるのです。

しかし、よくよく考えてみてください。息子殺しの事件は、止めることはできなかったのか?60歳代の父親が息子を殺さなければ、家族のだれかが犠牲になる事態に発展していたのか?

殺された息子さんは、「盗聴されている、監視されている」という統合失調症の典型的な症状を現していました。母親や長女を埋めてやると脅したのも、窓ガラスを壊してまわったのも、ドーパミンの過剰分泌あたりが原因なのでしょう。

家庭内暴力が続き、徐々にエスカレートし、殺人事件へと一線を越えてしまった悲劇です。

 受刑中の父親がどんな気持ちで日々暮らしているのかを読ませていただいたあとに、ドライに判断するのは正直気が引けます。でも敢えて言わせてもらうなら、この殺人事件は父親の判断ミスです。

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統合失調症で患者が発する言動は、尋常じゃない。精神病ですから、はっきり言って病状はクレージーですよ。誰かにつけ狙らわれているという妄想。母親を替え玉でないかという懐疑心。携帯電話やテレビを使って外部組織と連絡をとっていると気持ちが高揚してくる。

 これって統合失調症の症状です。
薬物治療をすれば落ち着いてくる病気です。完治はしないかもしれないけれど、病状は確実に安定してきます。

 

 

 

 

 

 

だから、父親には殺す前にしなければならないことがあった。精神病院に連れて行って診断を受けさせることです。精神科医に診せることです。もし、殺すとか、殺されるとか、命にかかわる緊急事態なら措置入院で一時的に家族から隔離すればいい。

父親の心情がいかなるものだったかを考えると、本当に気の毒としかいいようがありません。でも、父親のとった行動は完全に間違いです。

なぜ、精神病にかかった息子を医者にみせずに、自分の手で殺害してしまったのか。それは父親に精神疾患に関する正しい知識がなかった為。知識がないばかりでなく、専門医に相談しようという発想がなかった為。

この実例は、受刑中の父親には酷でしょうが、精神疾患にたいする常識のなさが招いた、悲劇として公表すべきでしょう。

血も泪もない事いうな!と皆さんの批判を浴びる記事を書いてしまいました。でも、どうにもならない事態ではなかったのです。普通に精神疾患の病人として対処するだけの問題だったのです。

 

 

 

 

 

 

2010年~2016年の殺人事件のうち実刑判決が下されたのが6割で、残りの4割は執行猶予がついていると解説されていました。この中に防げた事件が幾つあったことでしょうか?

そんな反省をしなくて済むように、何をしなければならないかを考えるべきなのです。自分だけの判断で自分の命を絶つ前に、自分の家族の命を絶つ前に、解決の方法を模索すべきなのです。

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