あの電通が人気No.1。
電通は厚生労働省の査察を受け、過労死事件の背景があきらなになりました。
残業時間に規制が設けられ、ビルの消灯時間が定められ、幹部社員が書類送検され、それでも社員らは家にパソコンを持ち帰り仕事をしているというじゃないですか。
「体質的には何もかわっていませんよ」と涼しいか顔で社員は言います。
そんな過労自殺でブラック企業の烙印を押された広告代理店の最大手・電通が平成29年度卒業生の注目を集めているのです。
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今の学生が就職先に求めるのは、やりがいよりも安定性・待遇だといわれています。
統計では「やりがい」を求める学生が18%だったのに対して、「安定性・待遇重視」が2倍ほど支持されている。
それでも電通の人気は衰えを知らない。
電通を就職先の第一希望とする学生の話:
「高橋まつりさんの事件もしっかり記憶に残っています。
でも、別に気にはならない。自分は、ああはならないと思う」
やりかたを工夫することでいかいようにも仕事を効率的に回すことができるという、現代っ子の考えなのでしょう。
その考え方に白黒つけるのは時期尚早ですが、自分の意向だけで進まないのが社会人の仕事ですね。
もしかしたら、自由な雰囲気を演出するために、最初は好きなように仕事を任せてくれるかもしれません。
最初の一回目の仕事だけは、社員各自、思う存分やってみろと。
でも、結果の評価までは本人まかせではないですね。
仕事のアウトプットが思わぬ波及効果を生み出してゆく。
完璧な仕事なんて、誰だってできるわけがないじゃないですか。
上司や先輩は、そこに口を挟んでくるのですよ。
海千山千の曲者たちが、パワハラギリギリの線で詰め寄ってくるわけです。
あなたの将来のため、とか言いながら底なしの仕事地獄に突き落としにかかってくる。
だって、それが脈々と伝えられてきた電通のやり方なのですから。
気が付いたら、1年365日、ひとときも仕事から意識が離れない状態になっているでしょう。
あの会社は、そういう所です。
電通が学生らを魅了するのは何なのでしょうか?
電通にはどことなく華やかさがあり、楽しげな雰囲気をまとっている。
なにか楽しい事があるように思えてしまうのです。
電通というブランドには芸能界に通底したような、きらびやかな雰囲気がただよっているのです。
「人生は楽しむためにあるの、だから思いっきりエンジョイしなきゃ!」みたいに空気で満ち溢れているように見えるのです。
でも残念ながら、そんな事は絶対にない。
特に、電通に限ってはあるわけがない。
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とっくにアジア一番の先進国なっているのに、日本人って贅沢をすると罪悪を感じてしまうのです。
自分の好き勝手ばかりしていると、そのうち手痛いしっぺ返しが来るのでは落ち着かない気持ちに陥るのです。
質素な楽しみを美徳とするような国民なのです。
人生は楽しむためにある、なんて言われてもどうやって羽を伸ばしていいか分からないのです。
「日本人にはせいぜい仕事がお似合いさ」とまで卑下しないけれど、「人生を100%楽しむ」と胸を張って宣言できるほど楽観的にはなれない。
「めりはりをつけろ」とか「少しは大人になれ」とか、どこか分別臭いのが日本人のような気がするのです。
仕事いっぺんとうの人に戒めの一言でもいえますか?
正直、ノーなのです。
真面目に仕事だけをしている人に表立って文句などとても言えない。
だいいち、ワタシには仕事だけではいけない理由を述べるだけの人間的な深みも厚さもないのです。
おそらく、欧米人だったら幾つも仕事一辺倒への戒めは出てくるでしょう。
日本はそんな国ですから、日本のサラリーマンは世界の中でも特殊。
仕事に生きがいを感じる人にとって日本は天国。
好きなだけ仕事に打ち込める環境が整備されている。
残業や休日出勤に遠慮はいらない。
さて、広告代理店の最大手・電通に就職しようと考えている人たち、首尾よく就職が決まったとして、あなたたちの抱いているイメージとはだいぶ乖離した現実が待っていることを肝に銘じてください。
電通の社員通用口には、貼り紙がしてある。
『ワーカホリックへようこそ』と。
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