『A LIFE ~愛しき人~』沖田がシアトルに戻る??深冬のオペは??

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深冬を救う決め手が得られぬまま時間だけが無情に過ぎていった。
深冬の脳は限界を超えるところまで悪化してきている。
沖田はMRIの画像と、それまで検証してきた全てのオペの方法を克明にまとめあげ、米国・シアトルの脳外科医の権威にメールで相談を持ちかけた。
アメリカのドクターも患者に対する思いは日本のドクターと同じ。
患者を救うために100%の準備を怠ることなく、全力でオペにあたる。
数ヶ月前までチームを組んでいた仲間の一人一人が懐かしく想い出された。

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翌朝、沖田は思いもよらぬ返事を受け取る事になる。
「オキタ、100%の準備をキミに叩き込んだワタシから、こんな返事を出す事になるとは、人生というのはわからないものだ。キミが抱え苦悩している患者とそっくりの症状の患者がいま、ワタシに託されている。オペは明後日だ。肝心のオペのシミュレーションは残念ながら100%ではない。だが、ここでオペに踏み切らなければ間違いなく患者は亡くなる。一刻を争う事態だ。どうだ、オキタ、このオペに参加してみないか?結果はどうなるかわからないが、キミの患者を救うヒントが得られるかもしれない」

 

シアトルで深冬と同じ脳腫瘍のオペを見ることができる。
喉から手が出るほど見たいオペだ。
だが問題はただ一つ、自分が不在の間に深冬の容態が急変しないとも限らない。
自分が日本にいさえすれば、今まで調べたオペの方法で腫瘍に挑む。
しかし、シアトルにいたら手も足もでない。

深冬の生命力にかけて、シアトルのオペをトンボ帰りで見てくるか、、、。
沖田の脳裏にあったのは、子供の頃からの親友であっ壮大(副院長)の姿だった。
奴は本当は信じられる男だ、と自分に信じ込ませるしかなかった。

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嫌な予感は的中する。
沖田がシアトルに到着した晩、深冬の容態が悪化した。
深冬は意識を失い、生死の境をさまよっていた。
いつ破裂してもおかしくない状態。

 沖田と壮大はシアトルと日本とで同時間にオペを開始することを決めた。
オペ室に大型スクリーンを持ち込み、シアトルでのオペの様子を映し出す。
日本での執刀医ま副院長の壮大。

シアトルでオペに参加している沖田が逐一、現地のオペの状況を報告して行く。

シアトルのオペ室にも日本と同様に大型スクリーンがセットされ、深冬のオペの状況が見られる仕組みをとった。

「壮大、途中までは俺が日本を出国する前に説明した通りだ。だが、途中からはお互い、なにが起こるかわからない。こちらのオペを先行し、それを追う形で日本側も付いてきてくれ」
「わかった。それと、、、、沖田、いままで本当にすまなかった。お前を追いやったシアトルに深冬の命がかかっているなんて、なんていう巡り合わせなんだ」
「その話はオペが成功してからだ。ベストを尽くそうお互いに深冬のために」
「深冬も幸せ者だ、みんなから愛されて」

 沖田には目の前で横たわっているアメリカ人女性と深冬が重なって見えた。
シアトルに渡る前の深冬との思い出が次々と浮かんでは消えていった。
沖田がただ一人、結婚を考えて女性が、今は親友の妻となっている。
その最愛の人を救うべくシアトルまで戻ってきたのだ。

しかし、沖田はスクリーンからしか深冬を見ることはできない。
目の前で彼女を救えるのは、まさしく深冬の伴侶であることが悔しくも感じられた。
沖田には遠く離れたシアトルから最大限の情報を発信することしかできない。
奴を信じて今はやれる事を精一杯やるしかない。

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みなさん、すみません。戸田裕二『A Life~愛しき人~』が面白すぎて、妄想がとまりません。

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