「HOPE 期待値ゼロの新入社員」久しぶりに気持ちのいいTVドラマ

Pocket

「HOPE 期待値ゼロの新入社員」久しぶりに気持ちのいいTVドラマを見せていただきました。
原作は韓国ドラマとの事です。
御覧なりましたか?
舞台となる大手総合商社の与一物産。
エリート社員集団です。
で、何に感動したのかというと、遠藤憲一さん演じる営業3課長です。
あんなに人情味のある上司ってこの世にいます?
竹を割ったような性格。
でも完璧人間とは程遠い男。
スマートさなんてひとつもない。
酒を飲んでベロベロに酔っ払い、家に帰ればプロレスラーみたいな女房にブーブ言われて、絶対にあんな風にはなりたくない。
でもああいう男になりたい。
遠藤さん、ますます好感度あがりますよね。

目次
たたえた笑みと、その下のドス黒いもの
社内で登りつめるためには
蚊取り線香みたいな俺の上司
HOPEの営業3課は理想論か?

 

たたえた笑みと、その下のドス黒いもの

早速ですが、現実の私の上司は緻密な男なのです。
先々を推測し、打つべき策を幾つも準備し、来るべき時に備えるタイプ。
実際、それらが功を奏して出世していったのです。
4 歳ほど年上の先輩でしたから、若いころは冗談なんかを言い合いながら楽しくやっていたのですが、いまや上司と部下の関係です。
立場と権力の違いは歴然としています。
今や、取締役と課長(私)の格差があるのです。
現実とは残酷です。
先輩と後輩という関係と、上司と部下の関係は、天と地ほどの差がありますね。
たぶん、うちの会社だけではないでしょう。
で、その上司と部下、つまり課長と平社員との関係になってから半年ほど経過すると、課長の嫌な癖が鼻につくようになってきたのです。
こんな昔の話を、HOPEに登場する人情課長(遠藤憲一さん)を観て、思い出してしまったのです。(遠藤、責任とってくれよ、毎日気分が悪くて仕方がないんだ!)
課長は冷静沈着でミスをしない。
そつが無いタイプの典型です。
話をする際にはささやかな笑みを絶やさず親愛を表現するのです。
飲み会ではユーモアを存分に発揮し場を盛り上げもするのです。
不精髭でチョイ悪オヤジを演出しつつ、柔らかな生地のスーツを着こなす。
車はエンジンに特別チューニングを施したホワイトのスカイライン。
表向きの顔がこれなのです。
言動がマニュアルチックで、化学調味料たっぷりの食事を口に運んでいるような感じにとらわれるのです。
丹念に手入れをした無精髭。
あの顔面の下にえげつない本性が息づいているのを見破るまでに20年以上かかってしまいました。
人を見る目がないといえば、それまでなのですが。
ああも腹黒いとは気づかなかった。
それほどまでに緻密なのです。
ある意味、大したもんですけど、と感心したりして。
仕事をこなすスピードはとても速いのです。
PCを叩くスピード、机の回りの整理整頓、手帳にびっしりと書かれたスケジュール。
ビジネスマンここにありって感じですねえ。
しかしですねえ、自己中なんですよ。
自分の身の安全が第一。
部下がどんなに悩んでいても、困っていても、まずは自分宛に送信されてきた-MAILの返事が優先。
客先から依頼された調査結果のまとめが優先。
明後日に控えているプレゼン資料の作成が優先なのです。
せっせせっせと自分の責任範囲だけを手ぬかりなくこなすのです。
それが終わるまでは、部下からの相談に耳を貸すことはまずありえないのです。
これを遠藤課長と比べたらどんな感じでしょうかね。
困って、悩んでどうにも前に進めない部下がいたとしたら遠藤課長、
どう動きますかねえ?
あくまでもドラマの中の話ですけど、放っておけないに決まってますよね。
間違いなく、ビルの屋上に連れ出して、タバコを吸って、缶コーヒ飲んで、
部下の悩みを聞くだけ聞いて、たぶん細かいアドバイスはないでしょう。
「今できるベストを尽くせ」とおおざっぱな一言か、
付け加えで「それでダメなら俺んとこにもってこい」って感じでしょうね。
でも、上司のこういう一言って効果あるんですよ。
わかってもらえたというだけでモチベーションあがります。
心が温まるんですよね。
それに引き換え、今の職場での会話はこんななんです。

「オレの計算では成功率32%で商談成立だね」
その32%という数字の根拠はどこからきているのだろうか?
成功する可能性が三分の一より低いと言いたいのか。
数字で示せば、もっともらしさが増すとでも思っているのか。
とにかく計算高い。
周囲から頭が切れ、故に絶大な信頼をえていると信じ込んでい自己愛者。
かたときも傍からどう見られているかが気になってたまらないナルシスト。

「契約条項を変更せずに進めて構わないとこの前、ここでおっしゃったじゃないですか」「契約ごとなのだから、オレには決められないよ。法務部を通して検討してもらうルールになっているのを知っているよね」
「法務部での検討を1週間も 10 日間も待っていられないから相談させて欲しいといったじゃないですか」
「会社のルールに反する相談をされても、オレだって困るよ」
「それなら、その時に、困ると言ってくれればいいじゃないですか」
「だから、そんな相談は受けた覚えはない!」
「そんなことないですよ。このノートにメモだって残していますし」
「とにかく 100 人に聞けば、 80 人から 85 人は、オレの記憶力のよさを支持してくれるよ。そんな相談は受けた覚えはない。仕事の進め方をもう一度おさらいしたほうが良いんじゃないの」
これが私の現実の日々なのです。

 「HOPE 期待値ゼロの新入社員」の終盤で、多額の不正リベートを受け取っていた嫌味な社員が解雇されました。
うちの上司はそこまでの悪事は働かないでしょう。
なぜなら、彼の願望は金ではないから。
尊敬のまなざしを向けられたい、クレバーな存在だとあがめたてられない、
自分は常に正しい、間違いが有るとすれば自分以外の誰かが問題なのだ、
これが心の根底に横たわっているのです。
精神医学的には、きっと何か適切な精神構造を表す言葉(病名)があるのでしょう。

 社内で登りつめるためには

35歳、40歳と年を重ねるごとに会社の中核を形成する存在になってきます。
この頃にちょうど出世という野望が身体の内側からこみ上げてくるのですね。
人にもよりますが。
で、うちの上司はというと野望ありありなのです。
自称、頭脳明晰。
だから会社は自分に舵を任せるべきだという理論ができあがっているのです。
そういえば、だいぶ前のことですが、マインドコントロール(彼は洗脳という言葉を使っていましたが)について説明を受けた事がありました。
反対意見を唱える人がいる場合には、できるだけその人に会う機会を作るのだそうです。
会うたびごとに少しづつ少しづつ、こっちの言い分をささやくそうです。
コツは相手が反対意見を言い出す手前で止めること。
そんなの俺は反対だ、と感じさえる前に話題を打ち切る。
これを粘り強く繰り返す事で、こちらの言い分に気持が移ってくるそうです。
リスクをおかしてまでタイマン対決で白黒つけるのは愚の骨頂だと。
少しずつ上層部に接近し、マインドコントロールに引きずり込んでいく。
そして権力を自分に集中させることで会社は発展するのだと。
見事なまでの自己中な思考回路ですよね。
権力を得るための用意周到な策だったことが、
今になってようやく私にも理解できたのです。

社内で登りつめるためには、味方と敵のラインを明確に引くのです。
ラインをどこの引くかはそのとき自分が居るポジションによって決まります。
昔、学生の頃に読んだ、土井健郎氏著の『甘えの構造』で指摘される内と外の境目みたいなものです。
内が味方、外が敵。
若いうちは同期入社の連中や、入社2、3年目との競争で、
より注目を集めるのが勝負の分かれ目です。
よって、「自分」対「それ以外の若手社員」という構図。
それが、ある程度の地位に就くことで、
「自分が仕切る集団」対「同じ規模の他集団」へと変化する。
この場合の他集団とは往々にして自分が所属する部の中の他集団となるケースが多いのです。
営業第一部の中の「xxx氏の班」とか「xxxチーム」とか。

「HOPE 期待値ゼロの新入社員」の遠藤健一さんとは真逆でした。
現実の我が上司が、油断ならぬ策士であった(今も続いていますが)と、
ドラマを見ていて痛感してしまったのです。
本物の上司は「僕は君の見方だよ」と言わんばかりに笑みをたたえて接近してきます。
ヌ~と音も立てずに背後に回ってきて、ささやくようにそっと探りを入れてくる。
「あのさあ、新規事業立ち上げの件だけど、どういう体制を組むんだろうね?人事部の同期あたりから何か聞いていない?」
きたきた、得意の猫なで声作戦だ、ちょっとからかってみるか。
「酒の席での話しだから信憑性ないですよ」
「えっ、何か言っていたんだ」
「こっちも酔っぱらっていて、よく覚えていないんですけどハッハッハッハッ。すみません」
興味引いちゃったかな?
暫くしてE-MAILが送られてきた。
《ところで、さっきの新規事業のたち宛の件だけど、俺が提案した企画について何か言っていなかった?もし、必要なら企画書の会社側の意向に合わせて修正するから、同期に言っておいてくれるとありがたいんだけど。》
全く持って気分の悪いメールだ。
HOPEの遠藤さんだったら、企画を提出したら、あとは会社の判断。
オレのやるべきことはやった、と言ってくれるでしょう。
 

 蚊取り線香みたいな俺の上司

蚊取り線香みたいな人なのです。
我ながら上手い例えではないかと思うのですが。
自分は渦巻きの真ん中で、火は外側から燃えて、
自分の居場所に火が届くのは最後の最後。
もしかしたら、途中で火がきえるかもしれない。
うちの上司ってそんな人なのです。自分の身の安全が第一。
「そんな上司、いくらでも居るよ!」とあっさり切り替えされそうですけど。
どの会社にも一人、二人いそうな気がしますけど。
でも、そのやり方が気に食わない。

「そんな細かな実務は、ど担当に任せてあるから俺は知らないよ!」
「ど担当って、どういう意味ですか?」
「ど担当の意味わからない?」
「そりゃ、想像くらいはつきますよ。でもそんな言い方、失礼じゃないですか」
「どこが失礼なの?末端で実務をこなす実労働者、つまり“ど担当”」
「それって差別用語ですよね。言われた人は気分を害しますよね」
「別に害さないでしょ、本当なのだから」
「“ど”を頭にくっつけるのは、悪い意味での強調ですよ」
「そんなことない、ただの強調語だろ」
「それなら“ど”が頭につく言葉をあげてみてくださいよ。悪い意味での強調だとわかりますから」
(因みに;ど阿呆、ど根性、ど近眼、どブス、ど真ん中、ど素人、どヒンシュク、ど助平、どデカイ、いかがでしょうか?)
こんな身もふたのないような事ででも衝突し、私はどんどん評価をさげていくのですね。
奴のお気に入りは異論があっても絶対に言い返してこない人間。
そして仕事でミスが発覚しても、うえに泣付いてこない自己完結型の人間。
手間のかかる者は排除の対象となる。

  うちの会社の場合ですと、海外勤務から日本に帰任する人間には 2種類のタイプがいます。
将来を有望視されている人間と、その反対の人間。
海外で築き上げた人脈をフル活用して帰任後にも会社に貢献するタイプ。
もう一つのタイプは、帰任後の受け皿すらない厄介者。
もともと日本で役に立たないから海外転勤を命ぜられた者もいるのです。
かれらは海外に居ても、日本からの顧客の空港での出迎えや、ホテルの予約、
接待の仕切りと、本来の仕事とはほぼ関係を持たずに数年間を海外で過ごし帰国するのです。
この後者が帰国しようにも、受け皿は容易にはみつかりません。
役に立たない人間を引き取る部署などないですから、それは仕方ありません。
我が上司の得意技の一つが、自分の部署の使えない人材を海外に飛ばし、
数年後別の部署に押し付ける。
受け皿としてのババを引かせるわけです。
彼は、手練手管を使って、自分の気に入らない部署を
、この受け皿となるよう細工するのです。
ドラマHOPEでも終盤で、大きなプロジェクトを営業3課に任せることで、
あの嫌味な宮川さん(俳優さんの名前)を受け入れる事になりましたね。
あんな方法もありますし、派遣社員などを募集している部署を見つけて、
そこに使えない正社員をあてがってしまう作戦もよく使う手段です。

HOPEの営業3課は理想論か?

 

お前の身は俺が必ず守ってみせる。
だから、踏ん張れ、その先に未来がある。
素晴らしいセリフです。
我が身を挺して部下を守る。
自分の今の状況と比較すると、情けなくて涙が出てきますね。
でも「そんなのお前だけじゃないよ。俺の会社なんてもっと凄いぞ」と言われるのが聞こえてくるようですが。
1週間に1度はブラック企業が新聞に取り上げられます。
過労死や鬱病も、もはや他人事ではないと考えされられます。
「HOPE 期待値ゼロの新入社員」が清々しい理想ドラマであるのは百も承知。
ただ、あんな課長になれるものなのだろうか、と考え込んでしまいました。

『じっと耐えて周囲が動くのを待ってから自分の行動を決める』
そんなリーダーシップのかけらもない上司。
そこにへばりつく腰巾着の様子です。
自分のペースは絶対に崩さない、マイペース一辺倒社員。
それなりにデスクワークをこなしながら、仕事の合間に同僚と冗談を飛ばしては、じゃれ合っている。
リラックスの時間も仕事のうちだと言わんばかりです。
そんな奴にかぎって、こんな風に思っているのでしよう。
「あんたには悪いけど、あんたの激務に手を貸すわけにはいかないよ。すごく危険な臭いがするし。そのストレスフルな仕事に関わったら最後、引きずり込まれるだろう。オレの時間の配分が崩れてしまうんだよ。」
見てみぬふりをするのが自分の身を守る術だと心得ているのです。
こんなのばっかりです、うちの職場。

「HOPE 期待値ゼロの新入社員」をみて、
自分の勤め先の嫌な面がクローズアップしてしまいました。
卑怯な社員はみんなまとめて無人島に連れてって島ごと燃やしてしまえ!
と社長が吠えでもしてくれたら、さぞすっきりするでしょうね。

 

 

Website Pin Facebook Twitter Myspace Friendfeed Technorati del.icio.us Digg Google StumbleUpon Premium Responsive

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*